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「お前らまだわけーのに、何言ってんだよ」後輩の“代表引退発言”に怒りのツッコミ? 37歳深津旭弘が“ボロボロになるまで頑張る”理由 

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米虫紀子

米虫紀子Noriko Yonemushi

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photograph bySV.LEAGUE

posted2024/12/28 11:04

「お前らまだわけーのに、何言ってんだよ」後輩の“代表引退発言”に怒りのツッコミ? 37歳深津旭弘が“ボロボロになるまで頑張る”理由<Number Web> photograph by SV.LEAGUE

SVリーグで存在感を発揮する東京グレートベアーズ。チーム最年長の深津旭弘はコート内外でチームを盛り上げている

 もちろん経験や人間性だけでなく、プレーも伴わなければ高いレベルの世界で生き残ることはできない。深津は30代になっても衰えないどころか、20代の頃より上手くなっている印象すらある。

「もう伸びないなとか、しんどいなというのはあまりない。自分1人でやっていたらたぶん無理だと思うけど、この人に頼ったらなんとかなりそうだとか、このメンバーとならもっと面白いバレーができるかなとか、そういうのがあるからできる。

 自分の限界を打ち破ってくれるような人が周りにいるから、まだ大丈夫なのかなと。移籍してからいろんな人と出会い、頼りながらやっています。もう余裕で人に頼りますよ(笑)。体やメンタルのこととか全方面。その中で自分の可能性はまだあるなとポジティブにやれています」

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 重要なのは「体」よりも「思考」だと深津は言う。

「自分が何を考えているか、どれだけ想像できるかの問題。歳をとると自然とブレーキがかかってきて、想像ができなくなると、体もそれ相応の体になってしまう。でもそれを打ち破ることができれば、もっと世界が広がる。勝手に自分を制御してしまう部分をなくして、思考の限界をなくせば、体も動くんですよ、何歳でも」

「本当に彼らをリスペクトしました」

 思考の限界をなくすことで可能性が広がる。そのことは代表メンバーと過ごして改めて確信した。

「今回オリンピックに出た選手たちを見ると、やっぱり彼らの思考って無限なんですよ。自由なんです。だからあれだけコートで自由にプレーできる。そういう意味でも本当に彼らをリスペクトしました。僕が若い時はたぶんそうじゃなかった。どんどん世代が変わって今の考え方になったと思うから、僕も見習って、もっと変えていかなきゃと強く感じました。

 彼らは“下手前提”ではないんですよ。『下手だから頑張る』というのは、いいんですけど、それだとどこまで行っても下手じゃないですか。彼らはそうじゃない。自分への信頼や自信がすごくあって、もっと高いレベルでプレーしたいから頑張るという感覚。プラス、彼らが仲間として集まった時に、それがより大きくなるという感じなんです」

【次ページ】 家族も心待ちにするロス五輪

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