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「指導者が最もやってはいけないのは…」原晋監督が明かした“エース”の作り方…箱根駅伝の常勝軍団・青学大で徹底された“平等感”のヒミツ
text by

原晋Susumu Hara
photograph byNanae Suzuki
posted2025/01/02 06:01
2024年の箱根駅伝で2年ぶりの総合優勝を果たした青学大の原晋監督
それは、決して仲良しグループをつくろうとしているのではありません。選手が同じスタートラインから切磋琢磨できる環境を整えるということです。そこで一生懸命に努力するそれぞれの姿を通して、結果的に生まれてくるのがエースといわれる選手だと思います。そうやって出てきたエースは、部員全員に認められる存在になります。
例えば、4人の同期がいて「大学4年になったときには箱根駅伝で優勝しよう」と切磋琢磨して、その中の一人がエースと呼べる力を発揮し始めたら、他の3人は「あいつがエースだな」と認めるはずです。そういうエースが真ん中に立つチームには本当の強さがあると思います。
「指導者が最もやってはいけないのは…」
一方で、指導者が最もやってはいけないのは、選手同士が切磋琢磨する前に、その時点で高い能力を持つ一人を「お前がエースだ。お前を中心にチームをつくっていく」と決めてしまうことです。
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会社に例えるなら、入社試験の成績が最も良かった社員や有名大学卒の社員に対して、入社のときに「君は将来の幹部候補生だ」と特別扱いするようなものです。まだビジネスの現場で力を発揮してもいないその人は勘違いするでしょう。同時に、その社員の同期は「出世するのは、どうせアイツだから、努力しても意味がない」とやる気を失ってしまいます。
