- #1
- #2
メジャーリーグPRESSBACK NUMBER
「オオタニはスイングの判断がよくない」大谷翔平に“予想外の苦言”も…「ドジャース・ロバーツ監督52歳は名将なのか?」現地取材で分かった“監督の正体”
text by
田中仰Aogu Tanaka
photograph byNIKKAN SPORTS
posted2024/11/29 11:03
大谷翔平の囲み会見に突然登場したデーブ・ロバーツ監督。大谷も苦笑い(写真は今年5月)
「最高の瞬間だった。イニングが始まったときは、いかにしてショウヘイに打席を回すかということを考えていた。相手はムーキーを敬遠させてフレディと対戦することを選んだ。その時点でいい予感があったね。興奮しているよ」
口では「興奮している」と言った。だが、その話し方からは、彼がサヨナラ勝ちした直後の監督だとは判断できまい。ポストシーズンの間、ドジャースタジアム会見場のロバーツはいつもこんなトーンだった。チームの内情、自身の心境を悟られまいと警戒するわけでもなければ、赤裸々にすべて明かすわけでもない。拍子抜けするほど淡々としていた。
大谷が左肩を負傷したワールドシリーズ第2戦直後もそうだった。アメリカ人記者はこぞって大谷の肩の状態を問うた。ロバーツは最初の回答で「亜脱臼であること」「検査を受けて今夜か明日に詳細がわかること」「肩の動きは悪くないため悲観していないこと」に言及した。その時点で把握している情報をすべて伝えているように見えた。それでも質問は続く。二塁ベースで何が起きていたのか。大谷が受ける検査とは具体的に何か。大谷が離脱したらどう対応していくのか。この日好投した山本由伸に話題が移ろうとも、すぐに大谷に戻った。会見は6分半に及んだ。連勝した余韻は消え、大谷の緊急事態を説明するための場と化していた。
「さっきから同じ回答をしているじゃないか」。そう憤っても不思議ではない。それでもロバーツは一度も苛立つ素振りを見せず、すべての質問に答えた。この男の本音はどこにあるのか。敗れた試合後にこそ人の思考は表れるはずだ。批判的な質問に対してロバーツはどう応じたのか。
<続く>