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侍ジャパン敗北に収穫はあったのか…井端弘和監督が語る日本代表の未来「僕が一番想定したのは…」「清宮(幸太郎)だって必ず日本の力になってくれる」

posted2024/11/26 11:50

 
侍ジャパン敗北に収穫はあったのか…井端弘和監督が語る日本代表の未来「僕が一番想定したのは…」「清宮(幸太郎)だって必ず日本の力になってくれる」<Number Web> photograph by Nanae Suzuki

プレミア12決勝で台湾に敗れ連覇はならなかった侍ジャパンの井端弘和監督

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鷲田康

鷲田康Yasushi Washida

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Nanae Suzuki

 侍ジャパンが敗れた。

 野球の国際試合「プレミア12」の決勝戦、日本対台湾戦は台湾が4対0で日本を下し、野球の代表チームとしては史上初の「世界一」に輝いた。一方、敗れた日本代表・サムラジャパンは国際試合の連勝は27でストップし、2019年に続く同大会の連覇を逃すこととなった。

「選手は初戦から今日を含めて9試合、非常によくやってくれたと思う。選手の頑張りでここまで来られて、勝たせられなかったのは私の責任。選手に申し訳なく思う」

 決勝戦後の記者会見でこう語ったのはチームを率いた井端弘和監督だった。

敗北の責任と戦いの難しさ

 ヤクルト・村上宗隆内野手ら主力に期待していた選手が次々に故障で出場を辞退。バンテリンドームで開幕戦を行なったことで、1次ラウンドは台湾への移動日を挟んで4連戦。そして2次ラウンドのスーパーラウンドから決勝戦とまた移動日2日で4連戦というスケジュールは予想以上に過酷だった。

 開幕戦直後に鈴木翔天投手(楽天)がコンディション不良で離脱。大会ルールで投手の補充ができないままに、やりくりをしなければならなかった。そして台湾では台風が来る中での雨中の2試合。選手たちの疲労蓄積もかなりあった。

「何とか凌いできたが、ピッチャーはシーズンが終わった後だし、うまく使っていかないといけないという難しさは非常にあったと感じている」

 井端監督は敗北の責任を背負いながら、戦いの難しさをこう語っていた。

 どう語ろうと日本が敗れたという現実は現実である。ただこの敗北の中にも日本代表にとり収穫はあった。そのことをきちんと書いておかなければならないと思う。

 キーワードは代表編成の時に井端監督が語ったこんな言葉だ。

「長く日本の野球が世界のトップであり続けるために」

 結果的にはいきなり世界のトップから滑り落ちることになってしまったが、その一方で今回の「プレミア12」にはもう少し先を見た目的もあった。

WBCと五輪を見据えたアピールの場

 2026年の第6回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)と、さらにその2年後には野球が正式競技に復活するとみられるロサンゼルス五輪がある。そこにターゲットを絞って、若手選手の発掘と経験を積ませることも、このチームに課された使命であったはずだ。

 選手たちにとっても、当然、2年後のWBC出場のために、この大会はアピールの場でもあった。

【次ページ】 想定したのはロス五輪を懸けたアジア最終予選

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