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「もし一緒に引退していたら」長与千種&ライオネス飛鳥が語るクラッシュ・ギャルズ解散秘話「全女ってブラックで…これ初めて言うことだけど」
text by
伊藤雅奈子Kanako Ito
photograph byTakuya Sugiyama
posted2024/11/28 17:00
ライオネス飛鳥(上)と長与千種が「結成40年」のクラッシュ・ギャルズを語り尽くす
長与 そこから這いあがって、自分をプロデュースしてヒールになった。それも、ダンプ(松本)さんのようなヒールではなくて、頭脳プレーが必要なハードコア。ハードコアって自分はテトリスのようだと思ってて、プロレスを合理的に考えるトンちゃん(飛鳥の愛称)の型にはまったなぁと思ってたから、GAEA JAPANのリングに初めて来たとき('98年12月27日、後楽園ホール)、ニヤッとされて握手をすかされて、尾崎(魔弓)とアジャ(コング)と手を組んだけど、「チキショー!」と思った半面、「やっぱりそうだよね」って思う自分もいた。
飛鳥 後楽園の外まで追いかけられたけど(笑)。
長与 追いかけたよー! それだってテトリスで築きあげた術中に、スコーンとはめられた感じ。手のひらに乗っけられたことが、すごいわかった瞬間だった。
野球でいえば長嶋さん、王さんがそろう感じ
飛鳥 GAEAでの試合は、すべて芸術だったよ。特に、SSU(編集部注:飛鳥、アジャ、尾崎、下田美馬や三田英津子ら総勢8選手で結成されたGAEA造反ユニット)。めちゃめちゃおもしろかった。
長与 おもしろかったね。
飛鳥 敵なのにそう思ったの?
長与 うん。引いて見てる自分がいて、「こんなにおもしろい構図があるかよ!」って客観的に楽しんでた。
飛鳥 楽しかったね。役者がそろってたし。
長与 スーパー・スターズ・ユニットって名乗っちゃうんだから。自分たちの時代だと、野球でいえば長嶋(茂雄)さんや王(貞治)さん、掛布(雅之)さんや衣笠(祥雄)さんがそろう感じ。こっちは自分以外はルーキーしかいないから尻込みするよね。たとえば、大企業の役員たちがズラーッとそろう前で、社員たちが「さぁ、戦いなさい」と言われたら、尻込みするじゃん。
飛鳥 そうだね。
長与 でも、その異空間が楽しかった。
飛鳥 こっちはスーパースター、千種はルーキーを従えていたけど、引けを取らない戦いをしてたよ。
10年ぶりの「クラッシュ対決」
GAEAに殴り込みをかけた飛鳥は'99年、団体の全権を賭けたシングルマッチを長与に要求する。全女時代以来、10年ぶりの「クラッシュ対決」が実現した。
飛鳥 今朝まさに、千種との一騎打ちの試合を観てきたの。1999年4月4日の午後4時っていう、あれ(横浜文化体育館)。クオリティー高いこと、やってたね。
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