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濃度・オブ・ザ・リングBACK NUMBER
「神取忍の愛弟子」のRIZIN参戦はあるか…MMAとの“二刀流プロレスラー”NØRIが明かした覚悟「看板も背負うわけですから」《特別グラビア》
posted2024/11/18 11:01
text by
橋本宗洋Norihiro Hashimoto
photograph by
Shiro Miyake
プロレスラーとMMAファイターの“二刀流”で活躍するNØRIだが、その道のりは決して平坦ではない。
“プロレスは最強の格闘技。だからMMAでも強い”
素直にそう思えるプロレスファンは、今は少ないはずだ。ジャンルとして隆盛を迎えたMMAには世界中から強豪が参入。レベルが上がり細かい技術と戦略が求められる。プロレスも同じだ。殴る蹴る、関節を極めるといったシンプルな攻防だけでなく、プロレスらしい派手な大技も重要。どれだけ効果的なテクニックも、観客に伝わらなければ意味がない。
立ち技からMMAと格闘技で注目され、女子プロレス団体アイスリボンに参戦したNØRIは、技術的なことだけでなくメンタル面でもプロレスの難しさを味わったという。
「格闘技では、出稽古に行ったり他のジムの選手と練習することはなかったです。私は“いずれ対戦する人と練習で手合わせをするのはおかしい”という考えがずっとあって」
「顔つきが変わった。あぁ、認められたんだ」
ところがプロレスでは、同じ団体の選手同士で練習し、なおかつ試合もする。同じ釜の飯を食った仲間との信頼関係があるから、激しい攻防もできるのだ。プロレスラーの目的は試合に勝つことだけではない。自分の試合を印象づけ、大会をトータルで盛り上げて観客を満足させるのも仕事だ。メインにはメインの、第1試合には第1試合の役割がある。それをコース料理に例える者もいる。
「だけど、同じ団体だから仲がいいというだけでもない。やっぱり対戦相手だしライバルなんですよ。長崎まる子選手、トトロさつき選手、テキーラ沙弥選手、松屋うの選手は近い先輩で、練習で基礎を教わることもありました。でも試合をすることになったら厳しい言葉をぶつけられて。“私のことそんなふうに思ってたの!?”って」
感情はネガティブなものも含めてすべて出せ、思ったことは全部言って相手にも観客にも伝えろというのがアイスリボンの教えだ。もちろん試合を盛り上げるためでもあるのだが、NØRIはその言葉を真正面から“喰らって”しまった。