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濃度・オブ・ザ・リングBACK NUMBER
「この子は強いよ」神取忍が認めた…格闘界のホープだったNØRIがプロレスに受けた衝撃「神取さんがRIZINでギャビと…こういうのアリなのか」《特別グラビア》
posted2024/11/18 11:00
text by
橋本宗洋Norihiro Hashimoto
photograph by
Shiro Miyake
NØRIは今年“初めてだらけの夏”を過ごした。女子プロレス新団体マリーゴールドのリングで初の他団体参戦。シングルリーグ戦にエントリーしたのも初めてのことだった。地方遠征に1人で行くことも。そしてマリーゴールドでの闘いで、NØRIは大きく評価を上げた。
LLPW-Xに所属する彼女はインド武術を学んだ格闘家であり、神取忍の愛弟子であり、プロレスとMMAの“二刀流”ファイターでもある。
格闘技を始めたのは6歳の頃。地元の健康サークルに親が通い始め、自分もそれについていった。練習メニューには棒術や二節棍、三節棍もあった。
「子供たちも歳が近くて、ある時“外の試合に出てみよう”となったんです。練習していたのは何でもありの武術なんですけど、試合はジュニア部門のあるキックボクシング。試合に出るって決まってから初めて18オンスのグローブを買いました(笑)」
「“負けたら死ぬ”くらいの感覚があった」
キック、ムエタイ、シュートボクシングでプロのリングへ。2015年には17歳でプロMMAデビューを果たす。初戦で闘ったのは、すでにタイトルマッチの経験もあった藤野恵実。後にパンクラス、修斗でベルトを巻く選手だ。
NØRI(当時のリングネームは法DATE)は判定負けを喫したものの、粘りに粘って観客を驚かせた。
「藤野選手が実績のある選手なのも当時は知らなくて、とにかく負けたのが悔しかった。だからいろんな人に試合を評価してもらったことにビックリしました」
観客に「インド武術って何?」と思わせながらも、不思議な強さがあった。
打撃、柔術、レスリングなどを組み合わせた正統的なMMAを学んだことはない。むしろそれがよかったのではないかとNØRIは振り返る。
「当時は出稽古に行ったこともなかったですし、試合に出てみると私たちが知らない技術がたくさんありました。逆に言うとセオリー無視だから、相手もやりにくかったんだと思います。私には、対戦相手に応じて対策を練るという感覚もなくて。ベースが護身術だから相手どうこうじゃないんですよ。それより“負けたら死ぬんだ”くらいの感覚がありましたね」