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藤井聡太竜王と対決…「盤外では恐竜とも!?」「封じ手は“名字+名前”…佐々木勇気先生、じ、自由だ」観る将マンガ家もホッコリ将棋名場面 

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千田純生

千田純生JUNSEI CHIDA

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photograph by日本将棋連盟/Junsei Chida

posted2024/11/02 06:01

藤井聡太竜王と対決…「盤外では恐竜とも!?」「封じ手は“名字+名前”…佐々木勇気先生、じ、自由だ」観る将マンガ家もホッコリ将棋名場面<Number Web> photograph by 日本将棋連盟/Junsei Chida

10月の将棋ハイライト。イラストは関連記事などからご覧になれます!

〈A級順位戦の成績〉※以下すべて10月31日現在
4勝0敗:佐藤天彦九段
3勝1敗:永瀬拓矢九段、渡辺明九段、佐々木勇気八段
2勝2敗:中村太地八段、千田翔太八段、増田康宏八段
1勝3敗:豊島将之九段
0勝4敗:菅井竜也八段、稲葉陽八段

〈王将戦挑戦者決定リーグ戦〉
3勝1敗:近藤誠也七段(1位)、西田拓也五段(2位)
2勝1敗:永瀬九段
2勝2敗:広瀬章人九段
1勝2敗:菅井竜也八段
1勝3敗:羽生善治九段
0勝2敗:佐々木勇気八段

〈棋王戦ベスト4カード〉
斎藤明日斗五段-近藤七段、澤田真吾七段-増田八段

 まず目につくのは、佐藤天彦九段の順位戦4連勝です。「貴族」の愛称で愛される天彦九段は今期、永瀬・千田・豊島・増田と難敵相手にすべて勝利し、1つ抜けています。羽生会長から名人を奪取した2016~19年までの3期にかけて名人位についた実力者が、今後も強さを発揮するのか。

 王将戦と棋王戦に目を移すと……初の「タイトル戦でのvs藤井」に近づいているのが、増田八段と近藤七段です。A級棋士として20代棋士のトップであることを証明する増田八段、王将戦で長年にわたって安定した成績を残す近藤七段……どちらの挑戦も見てみたいところ。

 そして注目の西山朋佳女流三冠の棋士編入試験第2局は、山川泰熙四段が立ちはだかる形となって1勝1敗。11月8日に控える第3局・上野裕寿四段戦で“あと1勝”とすることができるでしょうか。

3)竜王戦の“盤外あれこれ”がホッコリ連発

 盤上の熱き戦いを振り返っていったところで、話題は再び竜王戦へ……仁和寺での出来事を少し取り上げましたが、ここまでの計3局の中継やニュースを見ていると対局前日を含めた盤外の局面で様々なハプニング、面白トピックがあったので、箇条書きにてまとめてみました。

〈第1局〉
・初めての封じ手、勇気先生が割り印で「佐々木」「勇気」と苗字と名前をそれぞれ記す ※藤井竜王は2カ所とも「藤井」と記している

〈第2局〉
・対局者の2人、あわら温泉の足湯でくつろぐ
・勇気先生、福井名物・恐竜の前でガオーとばかりにポーズ
・藤井竜王、1日目の昼食休憩後にしゃっくりが止まらなくなる
・対局中に“小さな虫”が出たのに気付き、勇気八段が指摘→関係者がスプレー対応

 割り印や恐竜との“ふれ合い”など、勇気先生らしい自由さが本当にホッコリします。

 編集担当さんもこんな風に言っていました。

「佐々木勇気八段の立ち振る舞い、加藤一二三九段のようなチャーミングさを感じますよね。もしかしたら若き日の“ひふみん”も、似たようなサービスをしてくれたのかな、と思いを馳せたりします」

 サッカーやバスケットボールに野球、今年行われたパリ五輪など、僕ら夫婦も様々なスポーツ競技に熱中していますが……第2局の藤井竜王の様子を見て、

「これだけ長時間かつ体は静止した状態で戦う競技なのだから、しゃっくりも起きることがあるんだなあ」
「いやでも藤井竜王、しゃっくりしながら考えるのって……絶対大変だよね」

 こんな感じの会話になりました(笑)。

 そんなのどかな気持ちになりつつも、盤上で繰り広げられる戦闘と物語は、鋭さを増します。11月も、秋の夜長を楽しめる熱局に期待しています!

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