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「スタメンだろうが、サブだろうが関係ない」遠藤航31歳が語ったスロット新監督リバプールへの本音…開幕戦ベンチも記者に届いたメッセージ
text by
山中忍Shinobu Yamanaka
photograph byAFLO
posted2024/09/15 17:03
リバプールで2シーズン目を迎えた遠藤航(31歳)。競争の激しい名門クラブでのサバイバルについて語った
遠藤は、開幕戦の6日前に非公開で行われた、ラスパルマスとのプレシーズン最終戦(0-0)でフルタイムをこなしていた。映像を確認すると、総体的には及第点の出来でも、マイボール活用に積極姿勢が窺えた。前半には半身で受けてからのデリケートなラストパスでシュートチャンスを演出。後半にも、ディフェンシブサードからドリブルで中央を上がり、折り返しからのチャンスにヘディングでゴールを狙うなどしていたのだった。
'24-'25シーズン、リバプールはアウェイでのイプスウィッチ戦で白星スタートを切った(2-0)。前半は内容も互角の両軍無得点だったが、後半に入ると、5分間で1ゴール1アシストのサラーが昇格組との格差を体現した。中盤の底には、フラーフェンベルフ。地元紙『リバプール・エコー』などは、彼に10点満点中8点の高評価を与えていた。
だが、開幕戦勝利をベンチで見届けた遠藤に焦りなどなかったはずだ。スロット率いるリバプールは、まだ「形成」の「け」の字が記された程度。敵地に駆けつけたサポーターたちは、前半のスピード不足にもどかしい様子だった。同45分間、中盤のハブとしてのフラーフェンベルフは消えていた。後半も、2ボランチを組んだマカリステルから、意図されていたはずの攻撃力を引き出せたとは言い難い。6番役は、まだまだオーディション中の状態だ。
筆者の携帯に届いたメッセージ
そして何より、チームがシーズン開幕を勝利で飾った。長引けば厄介な「新体制下初勝利」へのプレッシャーから解放されたことになる。試合後のピッチには、黄色いビブスを着たまま自ら歩み寄り、戦い終えたチームメイトたちを称える遠藤らしい姿があった。フラーフェンベルフとも、祝福のハグ。その光景を見届けてスタジアムを後にした筆者の携帯には、「勝つことが大事でしたね」とのメッセージをくれた。「動じない男」が、自然体で挑むサバイバル・バトルが今季も幕を開けた。