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無敵と思われたレスリング・須崎優衣もできなかった「五輪連覇」…今こそ再評価したい、怪物フェルプス、ルイスに並ぶ伊調馨「4連覇」の偉業
posted2024/08/09 11:00
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph by
Kaoru Watanabe/JMPA
8月6日、ひとつの偉大な記録が生まれた。レスリング男子グレコローマンスタイル130kg級でミハイン・ロペスヌネス(キューバ)が優勝し、夏季五輪では史上初の5連覇を達成したのである。
41歳のロペスヌネスは決勝のあと、シューズを脱ぐとマットの中央付近に置き、第一線から退くことを示した。偉業が成し遂げられたこととあわせ、世界に広く報じられた。
この日は女子50kg級に須崎優衣も出場。東京五輪に続く連覇を目指していたが、初戦で敗退した。
須崎は東京五輪後、無敗を誇ってきた。今春のアジア選手権では準々決勝で追い上げられるなど競り合い、決勝ではリードされたところから逆転勝ちで優勝と苦しんだが、ある意味、オリンピックへ向けての糧となる経験をした。その大会も踏まえ、五輪へは万全を期したはずだったが、まさかの1回戦敗退。あらためて連覇の難しさを思わせた。それだけにロペスヌネスの2008年北京五輪からの5連覇が、いかに価値が高いかを実感する。
さて、5連覇が史上初ということは、ロペスヌネスはもちろんとして、4連覇までならしていた選手はいる、ということだ。
4連覇、ものすごいメンバーに並んで…
夏季五輪では、これまでロペスヌネスのほか、5名が4連覇を果たしている。
*パウル・エルブストロム(デンマーク)ヨット男子フィン級=1948~60年
*アル・オーター(アメリカ)陸上男子円盤投げ=1956~68年
*カール・ルイス(アメリカ)陸上男子走り幅跳び=1984~96年
*マイケル・フェルプス(アメリカ)競泳男子200m個人メドレー=2004~16年
そして、もう一人が日本の伊調馨である。