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「高架下のような騒音」卓球・パリ五輪の“大きすぎる声援”はなぜ問題なのか? 現地で感じた「打球音が聞こえない」という重大な影響
posted2024/08/07 17:22
text by
高樹ミナMina Takagi
photograph by
JIJI PRESS
パリ五輪がいよいよ佳境を迎える。
開会式翌日の7月27日から閉会式前日の8月10日まで15日間にわたる長丁場の卓球競技は、パリ市南西部の15区にあるパリ南アリーナ4を舞台に連日、ほぼ満員の観客を集めて盛り上がっている。
日本で卓球の応援といえば、静かなイメージがあるだろう。
拍手や声援はポイント間やゲーム間に限り、選手がサーブを出す際にはしーんと静まり返る。プレーを妨げないための観戦マナーだ。
まるで鉄道の高架下にいるような騒音レベル
しかし、国が変われば応援スタイルも変わる。
ここフランスでは卓球の応援もサッカー並みに熱狂的で、大歓声や指笛はもちろん、太鼓やラッパなどの鳴り物あり、歌の大合唱あり、観客が一斉に「ダダダ」と床を踏み鳴らすパフォーマンスありと、まさに“爆援”だ。
特にアリーナに設置された仮設スタンドは音が響きやすく、観客が一斉に足踏みをするとまるで鉄道の高架下にいるような騒音レベルになる。
男子日本のエース張本智和が大会序盤の男子シングルス1回戦の後、「(会場が)本当にうるさくて」とこぼし、それが原因でサーブミスしたことを明かしたが、不慣れな応援スタイルに戸惑うのも無理はなかった。