メダルセレモニーが終わっても、場内にはまだたくさんの観客が残っていた。ここで味わった熱が冷めてしまうのを惜しむかのように、名残惜しそうにスタンドの最前列に詰めかけている。すると、そこに堀米が駆け寄っていった。残念ながら係員にすぐに連れていかれてしまったものの、短い時間でもサインをしたり、写真を撮ったり。

会場に残ったファンのスニーカーにサインする堀米　©Asami Enomoto／JMPA

「滑ってるのは自分だけじゃないから。サポートしてくれている家族、友達、みんなの応援が、最後に乗れた鍵になったのかなと思います」

　金メダリストはきっとその感謝の思いを共有しようとしていたのだ。