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「なぜ杉原愛子は出られない?」体操女子・宮田笙子(19歳)の五輪辞退で残る“2つの疑問”…異例の4人編成で考えられる“選手への影響”
posted2024/07/22 11:12
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph by
JIJI PRESS
7月19日、体操女子日本代表は合宿地からフランス・パリに到着。20日には現地に入って最初の練習を行った。
喫煙・飲酒行為の発覚を受けて宮田笙子が代表を辞退。補欠として合宿地に帯同していた杉原愛子との入れ替えはなく、選手は1人減って、岸里奈、岡村真、中村遥香、牛奥小羽の4人となった。
なぜ繰り上げで杉原が加わることはできないのか、疑問の声もあるという。
ただ、入れ替えには規定がある。選手を登録する期限が定められており、過ぎた場合に認められるのは怪我や病気の場合のみ。今回は定められた期限を過ぎており、また怪我や病気でもないため、杉原を加えることはできなかった。
結果、日本代表は4人で7月28日の予選に臨む。予選の結果によって団体戦決勝に進出できる8チームが決まるが、4人となった影響は大きい。
団体の人数的には4人でも問題はないが…
まず仕組みを説明すると、予選は団体、個人種目双方を兼ねて行われる。
女子は「跳馬」「段違い平行棒」「平均台」「ゆか」の4種目。この各種目で最大4人が演技をし、そのうち上位3人の得点を合計する。その結果の上位8チームが団体総合決勝に進むことができる。
また、予選の上位24名の選手が個人総合決勝に進むことができ、種目別には各種目の上位8名が出場することになる。
ここで問題となるのが団体だ。人数的にはチームに5人いなくても差し支えないが、選手には種目ごとに得意・不得意がある。そのため、本来なら5人のうち、種目ごとに得意とする選手を出す、あるいは苦手な選手を外して4名を出場させ、チームとしての高得点を狙っていく。
団体においてポイントとなるのは、まずはすべての種目に強い、いわゆる「オールラウンダー」の存在だ。