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「私がスターダムの光になります」プロレス界の“妖精”なつぽいが長期欠場中に決意したこと…愛されキャラの人気レスラーが歩む“頂点への道”
posted2024/04/27 11:05
text by
橋本宗洋Norihiro Hashimoto
photograph by
Essei Hara
スターダムの“妖精”なつぽいは団体屈指の人気選手だ。華のある試合ぶり、天然キャラなど誰からも愛される存在。しかしその発言や行動を見ていると、芯の強さも感じさせる。
デビューしたアクトレスガールズから東京女子プロレス、さらにスターダムと団体を変え、ユニットもスターダム登場時に所属したDonna del Mondoを離れコズミック・エンジェルズへ。常に自分の道を自分で決めてきた。
昨年は自らアピールしてセンダイガールズに乗り込み、橋本千紘とシングルマッチ。テーマに“最強”を掲げた。いわゆる“アイドル的存在”では満足していないからこその行動だった。
小さい身体で激しい闘い…蓄積していたダメージ
小さい身体で激しい闘いを繰り広げてきたから、その代償もあった。頸椎ヘルニアで昨年10月から長期欠場。ダメージの蓄積が原因だった。場所が場所だけに、うまく付き合っていくしかないという。安納サオリと保持していたタッグ王座も返上することに。
ただ、なつぽいには転んでもただでは起きないタフさがあった。3月9日の復帰戦は安納と組んでリングへ。対戦相手は橋本千紘&Sareeeという異色タッグだ。
「縦横斜め、すべて関係性がある4人です」
橋本とSareeeはライバル関係。昨年、アメリカのWWEから日本マット復帰を果たしたSareeeは橋本と2度の大激闘を展開している。この実力者2人がタッグを組むというだけでもニュースであり、なおかつ舞台がスターダム。橋本は久しぶりの参戦、Sareeeは初登場となる。なつぽいの復帰戦だからこそ実現したカードだ。
なつぽいは新人時代、Sareeeが所属していたディアナで出稽古。プロレスの基礎を身につけた。2人はそれ以来の「大親友」だ。「Sareeeと一緒にいると、ずっと笑っていられる」となつぽい。
「以前、脚をケガした日もご飯に連れて行ってくれたんですよ。松葉杖つきながらゲラゲラ笑ってるみたいな。絶対にマイナスなことを言わないんです。どれだけ仲良くしても、試合になったら切り替わる。そういう相手でもありますね」