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[7億ドルの“資金源”]破格の契約を可能にした親会社の算段と実態

posted2024/04/21 09:01

 
[7億ドルの“資金源”]破格の契約を可能にした親会社の算段と実態<Number Web> photograph by Nanae Suzuki

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田邊雅之

田邊雅之Masayuki Tanabe

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Nanae Suzuki

大谷翔平と結んだプロスポーツ史上最高10年総額7億ドルの契約。その資金はどこから生まれ、投資の効果をどのように見積もっているのか。積極的補強を可能にしている背景を、親会社の球団経営から探る。

 ゲーム・チェンジャー(試合の流れを変える選手)。スポーツファンにとってお馴染みの単語は、「常識を覆すキーマン」という意味で用いられるケースも多い。

 大谷翔平は典型的な例だ。分業化が進んだ現代野球界で二刀流を体現。昨年12月にはドジャースと契約し、10年で年俸総額7億ドル(約1015億円)に達するスポーツ史上最高額の待遇を手にした。

 かくして取り沙汰されたのが、巨額の投資は回収できるのかというテーマだった。むろんドジャースは7度ワールド・シリーズを制覇した名門であり、球団価値でもニューヨーク・ヤンキースに次ぐMLB2位を誇る。とはいえ7億ドルは、球団買収額の3分の1にも匹敵する。台所事情を不安視する声が上がったのは当然だろう。

 ところが現地関係者は、異例の大型補強はペイするどころか、お釣りが来るという見方をしている。根拠として挙げられるのは、新たにもたらされる収益だ。スポーツチームでは、観戦チケット販売、スポンサーシップ、マーチャンダイジング(物販)、放映権料が主な収入源となっている。これらのチャネルを通じて、ドジャースは昨季5億6500万ドル(約819億円)を稼いだが、大谷の獲得を契機に、収益性を高めていくことが期待できるという。

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