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藤井聡太八冠「さすがですっ!」名人戦で対局“豊島将之九段への敬意”…観る将マンガ家が描く「藤井将棋攻略の佐々木勇気八段もスゴい」
text by
千田純生JUNSEI CHIDA
photograph byJunsei Chida/Keiji Ishikawa
posted2024/04/02 06:00
3月の将棋ハイライト。関連記事などからイラストをご覧になれます!
それを証明したのは佐々木勇気八段でした!
棋王戦第4局同日の3月17日に放映されたテレビ棋戦「NHK杯」です。連覇を狙う藤井八冠は準決勝で羽生善治九段を、勇気八段は増田康宏八段をそれぞれ下して2年連続での決勝同カードに。その中で勇気八段は“絶対王者”相手に角換わりで進む中、序盤から終盤まで気を抜けない藤井将棋を攻略して169手で勝利。自身にとって初となるNHK杯、2度目の棋戦優勝となりました。
勇気八段が藤井八冠に勝利したのは、2017年7月の竜王戦決勝トーナメント以来。そう、当時の藤井四段のデビュー後29連勝という記録をストップさせた一局でした。連勝記録を更新した増田八段との対局を“隅っこで凝視していた”という伝説を持つ勇気八段ですが、勝負どころでの強さはやはり抜群! 2期目となるA級順位戦での戦いも楽しみです。
A級棋士の顔ぶれが第83期も豪華!
3月7日に行われた順位戦B級1組では、増田八段(対局時点では七段)が屋敷伸之九段に勝利し、すでに昇級を決めていた千田翔太八段とともに“第83期A級”の昇級を決めました。
<第83期順位戦A級の顔ぶれ>
藤井聡太八冠もしくは豊島将之九段、永瀬拓矢九段、渡辺明九段、菅井竜也八段、稲葉陽八段、佐藤天彦九段、佐々木勇気八段、中村太地八段、千田八段、増田八段
そして新年度の4月から、絶対的な強さを見せる藤井将棋に豊島九段と伊藤七段がそれぞれ名人戦、叡王戦で挑むことになります。なお両タイトル戦にあと一歩まで迫りながら挑戦権を得られなかった“軍曹”こと永瀬九段に、僕の妻氏が涙目になっていましたが……どこかで藤井八冠との再戦が見られることに期待しています。
過去のタイトル戦で名勝負を繰り広げた豊島九段が久々に登場し、伊藤七段はこの1年で3度目となる“vs藤井将棋”という構図は、どのような展開を見せるか。春から興味は尽きません。
3)地域対抗戦の藤井八冠、そして二歩…新四段もがんばれ!
さて名人戦での「藤井vs豊島」にワクワクしているファンも多いかと思われますが……現在開催されている「ABEMA地域対抗戦」では、その2人がチーム中部(監督は藤井八冠の師匠・杉本昌隆八段)の一員として共闘しています。
もしかしたら他地域ファンの方々としてみれば「名人位を争う2人がいるとか強豪すぎる!!」という思いかもしれませんが(笑)。