たとえばプロ野球に来た外国人選手が家庭の事情によって、チームを離れることが一つのトピックとして報道されることもあった。しかし今では――メッツに加入した藤浪晋太郎が今年のキャンプ中そうであったように――普通の出来事になっている。

　NPBにおける象徴的な出来事の1つは、ボビー・バレンタイン監督が率いた05年の千葉ロッテなのかもしれない。書籍『ボビー・バレンタイン自伝』によると、当時ロッテの若手筆頭格としてレギュラーを掴んだ今江敏晃（現東北楽天ゴールデンイーグルス監督）は、プレーオフの時期に妻の出産を控えていた。

〈出産に立ち会うのに1日チームを離れてもいいでしょうか？〉

　ボビーによると、当時、家庭の事情で日本人選手がチームを離脱するという価値観はチームになかったという。しかしアメリカで長年指導したボビーの考えは違った。出産への立ち会いを許可し、今江と家庭の幸せがモチベーションにつながると見た。

05年日本シリーズでの今江とバレンタイン監督　©Hideki Sugiyama

　結果、このシーズンの千葉ロッテはプレーオフを制すると阪神タイガースとの日本シリーズを4連勝で制して日本一。今江は日本シリーズMVPにも輝いたのだった。

ふたりとも申し訳なくなるくらい平凡なんです

＜名言3＞
結婚しても仕事をやめるつもりはないし、「献身的に尽くす妻」みたいなことはできないから。毎日何品もご飯を作るとか、私はしないからね。
（立花理香／NumberWeb 2023年12月12日配信）　https://number.bunshun.jp/articles/-/859853

◇解説◇
　プロ野球選手の妻について、様々な肩書が注目されてきたのは前述した通り。その中でオリックスのパ・リーグ3連覇に貢献してきたキャッチャー若月健矢のパートナーは、声優の立花理香さんだ。

若月の妻で人気声優の立花理香さん　©Kiichi Matsumoto

　立花さんは『プリンセスコネクト！Re:Dive』のキャル役や、『アイドルマスター シンデレラガールズ』小早川紗枝役などで知られる。“野球好きの声優”と認識していたという「人づての連絡」がお互いの馴れ初めとなり2019年に結婚……となったわけだが、世間が想像する〈プロ野球選手と妻〉のイメージとは違う日常生活だと立花さんは明かしている。

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