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熱狂とカオス!魅惑の南米直送便BACK NUMBER
「本当に残念だよ」「イトウ離脱の影響はあった」日本大好きブラジル人記者が悲しむイラン戦の失敗…守田英正“指示がほしい発言”にも持論
posted2024/02/08 17:00
text by
沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph by
Mutsu Kawamori
「失望、の一語に尽きる。本当に残念だよ……」
日本と日本の文化を愛し、しばしばサムライブルーのユニフォームを着て公の場に姿を現わし、日本のフットボールの成長を願って詳細な分析記事を書くブラジルメディアきっての日本通は、我々日本人以上に深く悲しみ、のみならず憤っているようだった。
「実力を存分に発揮した試合は一つもなかった」
アジアカップ準々決勝で日本がイランに敗れた直後、彼がスポーツ電子メディア「グローボ・エスポルチ」に書いた記事の見出しは、「日本は優勝候補としての責務を果たせず、準々決勝で散った」。
「通算5度目の優勝を目指しながら、3勝2敗、得点12、失点8。5試合のうち、実力を存分に発揮した試合は一つもなかった」
「大会前、絶対的な優勝候補と見なされながら、期待を大きく裏切った」
「この大会を通じて、サムライブルーには2026年ワールドカップ(W杯)までにやるべきことがたくさんある、という事実が明らかになった」
日本の敗退に厳しい目を向けたブラジルメディアは、彼だけではない。
「日本が後半アディショナル・タイムに犯した信じ難いミスに乗じ、イランが逆転勝利を収めて準決勝へ進んだ」(試合を中継したTV局ESPNが配信した記事)
「準々決勝でイランが日本を退けるサプライズ」(日刊紙「オ・ポーヴォ」電子版)いずれも日本の敗戦を「予想外」、「期待外れ」というニュアンスで報じていた。
冒頭でコメントと執筆した記事の見出しと骨子を紹介したチアゴ・ボンテンポ記者に、詳しく話を聞いた。
――まず、試合全体の講評を。
「前半のうちに先制し、試合をコントロールした状態でハーフタイムを迎えた。ただし、前半途中(注:24分)にセンターバック(CB)の板倉滉がイエローカードをもらい(イランのカウンターからFWモハマド・モヘビに裏を取られそうになって体で止めた)、以後、消極的なプレーを続けていたのが気になった。後半は、イランのパワーと気迫に押され続けた。守備陣は再三、裏を取られ、決定的なピンチを何度も作られた。
攻撃陣もチャンスを作るどころか、ボールをキープすることすらままならない。すぐにボールを失って、守備陣を助けることができなかった。そして、後半アディショナルタイムに板倉のPK献上から逆転を許してしまった。試合の流れからして、負けるべくして負けた試合。スコア以上の完敗だった」
「この選手起用は的中したね」と評価した選手は?
――先発メンバーに関して言うと、バーレーン戦から中2日ということで左サイドバック(SB)に伊藤洋輝、ボランチに守田英正、2列目左に前田大然と、3人が入れ替わりました。