「私は、左SBに中山（雄太）の先発を予想していた。コンディションが悪かったのかな。伊藤は、この試合でも攻守両面で物足りなかった。一方、守田は元々はレギュラーで、この試合でも非常に良かった。前田の起用は意外だったが、持ち前のスピードと執拗なチェイシングでチームに大きく貢献していた。この森保一監督の選手起用は的中したね」

――試合後、板倉が「自分が試合を壊した」と反省していました。これまで、彼は日本代表で中軸を担ってきた選手。これほど悪かったのは初めてでは？

「左足首骨折から復帰したばかりだったし、バーレーン戦でも左足を打撲して、コンディションが万全でなかったのは間違いない。とはいえ、判断ミスなど普段の彼からは考えられないプレーが多かった」

いつもは安定感あるプレーを見せる板倉だったが…©Kiichi Matsumoto

4バックのままで町田か谷口を…

――板倉は前半のうちにイエローカードをもらっていたし、本来の彼ではないのは誰の目にも明らかでした。森保監督は後半開始早々にでも彼を交代させるか、もう一人CBを入れて3バックにするべきだったのでは？

「森保監督は、3バックにするのはリードしているときに逃げ切るためと考えていたんじゃないかな。私は、4バックのままで板倉を町田浩樹か谷口彰悟に代えるべきだと思った」

――ただ、敗戦は板倉だけの責任とは思えません。後半、中盤の守備が甘くなっていたし、攻撃陣はイラン守備陣をほとんど脅かすことができませんでした。

「前半は、前田が攻守両面で奮闘していた。上田綺世も、前半の先制点（※28分、ポストプレーから守備へパスを送り、得点につなげた）の場面などで良いプレーをした。ただ、堂安律と久保建英にもっと効果的なプレーをしてもらいたかった」

三笘も南野も…交代でプラス材料を示せなかった

三笘も徹底的にケアされて見せ場を作れなかった　©Kiichi Matsumoto

――後半22分、監督は前田と久保を下げて三笘薫と南野拓実を投入しました。

「チーム全体が押し込まれていたから、三笘にはなかなか良いパスが通らなかった。また、コントロールミスなどで得意のドリブル突破ができなかった。南野も、ほとんど仕事ができなかった」

――後半アディショナルタイムの失点のシーンを振り返ってください。

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