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「井上尚弥に勝てる」タパレスを再生させた“優秀な参謀”が不気味な発言…圧倒的KO予想を裏切る“アップセット”を確信できる4つの理由とは?
text by
杉浦大介Daisuke Sugiura
photograph byDaisuke Sugiura
posted2023/12/25 11:04
マーロン・タパレス再生の切り札として抜擢されたアーネル・フォンテーンニャ(左)。タッグ結成から3連勝を飾っている
取材中、常に落ち着き払っていたフォンテニーヤだが、タパレスとの強固なパートナーシップを誇らしく感じていることは間違いない。2021年にタッグを組んで以来、3連勝。「私の規律正しさや、ボクサーへの接し方がゆえに、信頼を勝ち取ることができたのでしょう。ここまではうまくいっています」と胸を張った。
もちろん勢いに乗るタパレス&フォンテニーヤにとっても、今回の相手はとてつもなく強大だ。前述通り、“モンスター”の征伐に自信を持つフォンテニーヤだが、現役にして“レジェンド”とすら形容できる井上の力量はもちろん理解している。
「完璧なボクサーですね。とても速く、もちろんパワーもあります。尚弥はパウンド・フォー・パウンドでもNo.2にランクされ、世界的に有名な選手です。彼に勝つためにはハードワークが必要なことはわかっています」
タパレス陣営が勝利を確信する4つの理由
それでもタパレスが敵地でのメガファイトに勝ち残れると信じる理由は4つある。
まずは7月のフルトン戦をリングサイドで生観戦し、井上対策のアイデアを得られたこと。世界挑戦者のビンセント・アストロラビオ、井上の元パートナーでもあったピーター・アポリナル、アーネル・バコナヒなどと豊富なスパーリングをこなし、満足いくトレーニングができたこと。それに加え、タパレスは日本で過去4戦全勝と強く、「マーロンは日本に行くことも恐れず、むしろ大好き。その経験はもちろん助けになります」と日本リングを“完全アウェイ”とは捉えてはいないことも重要な意味を持っている。
そして何より、ボクサーとしてベテランの域に達したタパレスのアジャストメントを信じられていることが大きいのだろう。井上戦に向けての具体的な戦術はやはり明かしてくれなかったが、それでもフォンテニーヤはとにかく“適応能力”が大切であると繰り返した。そこが最大のポイントと見ているに違いない。