実はこの球場はもともと屋外球場として建設される予定だったものを途中で設計を変更して強引にドーム球場にしたため、様々な問題がある。まず、観客席の傾斜がかなり急で、座席が30席も一列に並んでいるために、その中央の座席にいる人が通路まで出るには10人以上の人の前を通らなければならない。交通アクセスもかなり悪く、駐車場も1000台分しかない。このため、以前から新しいドーム球場の建設を求める声が少なくなかった。

発売前から転売を懸念

入団会見に集まった記者陣。実際の球場ではどんな光景が広がっているのだろうか　©Getty Images

　しかし、今の韓国ファンにとってそんな不便さは問題ではない。来年のビッグイベントを目前に控えた韓国ファンにとって重要なのは「座席数」と「チケット」だ。チケットさえ手に入れば、その程度の不便は小さなものだ。しかし、17000人の座席争奪戦は韓国人だけの問題ではない。チケットを手に入れるには、韓国に駐留している約28000人の在韓米軍、また、大谷の移籍後デビュー戦を見るために韓国に押し寄せるアメリカ、日本の取材陣、日本から殺到必至のファンを相手に激しい争奪戦を勝ち抜かなければならないのだ。韓国の野球ファンは早くも公正なチケット販売、IT技術を悪用したチケット買い占め、そして転売行為を防止する徹底した対策を要求している。

＜続く＞