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バウアー「メジャー復帰」は実現するのか? 女性への性的暴行「無実」も、待ち受ける米国社会の厳しい目「山本由伸らの動向次第で…」
posted2023/12/05 06:02
text by
四竈衛Mamoru Shikama
photograph by
JIJI PRESS
米国社会のセカンド・チャンス
米国社会には、たとえ社会的な問題を起こしたとしても、誰にでも「セカンド・チャンス」の権利があるべきとの考えがある。だが、今季、DeNAでプレーしたトレバー・バウアーが、来季、メジャーで再び受け入れられるか否かは、現時点で定かでない。DeNAから自由契約となり、メジャーを含め、全球団との交渉が可能となったが、先行きが不透明であることに変わりはない。シーズン終了後、バウアー自身は、来季以降への展望として「優勝を狙えるチーム」などの条件を挙げた。その言葉の先にあるのが、メジャー復帰なのか、日本残留なのか。当面は、日米両球界の動向を見守るしかない。
過去、米球界では刑事事件や不祥事を起こした選手らが、グラウンドへ復帰したケースは少なくない。コカイン使用、交通死亡事故、アルコール依存症など、たとえ刑法上の逮捕歴があっても、復帰への道を閉ざすことなく、「誰もがミステークをする」との認識から温かく手を差し伸べる寛容さは、おそらく日本人の肌感覚とは少なからず異なると言っていい。
女性や子供ら弱者に対する暴力や虐待への認識
ただ、今回のバウアーの場合、米国社会特有の寛容さが共有されるか、と言えば、疑問符は消えない。今季中には性的暴力行為で訴訟となった米国人女性とは和解が成立し、事件としては解決した。代理人を務めるレイチェル・ルーバ氏によると、和解金など金銭のやり取りは一切無く、女性からの訴訟が取り下げられたことで、法律上は一件落着した。