第100回箱根駅伝(2024)BACK NUMBER
箱根路を経験した今井正人・井上大仁が、“未来の箱根駅伝”に馳せる思いとは?
text by
小堀隆司Takashi Kohori
photograph by写真提供:今井選手:トヨタ自動車九州株式会社、井上選手:三菱重工業株式会社
posted2023/11/22 12:00
練習中の今井正人選手、井上大仁選手
「マラソンで結果を」「駅伝を世界にアピール」
今井がこう思いを馳せる。
「運営するのは関東学生陸上競技連盟の学生たちですけど、色んな人の思いが詰まった大会なので人気はそう簡単に衰えないと思います。出場する学生たちについてはどうですかね。金栗さんがどんな思いで箱根駅伝を作ったか。もちろん箱根が最終目標でも良いんですが、そこからさらに世界とかオリンピックとか、上を目指そうという選手が一人でも多く輩出されれば良いなと個人的には思います。僕もまだ『山の神』を超えるほどのインパクトのある結果を出せていないので、悔しさもありますが……。現役を続けている限りは、マラソンでそれを超える結果を残したいと常に思っています」
先輩ランナーからたすきを受け継ぐように、井上も言葉を重ねる。
「ひと区間ひと区間にドラマがあるので、見ている人にとっても面白いでしょうし、選手たちにとっても強い相手とこれだけの舞台で競り合える機会ってそうないと思うんです。これからはもっと世界にアピールして、駅伝自体が一つの競技として盛り上がっていくと良いなと思います。あまり先のことはわからないですけど、ケニアだけでなく、中国やヨーロッパからも強い留学生がやってきて、切磋琢磨しあえると面白いですよね」
走ることに夢中な学生がいる限り、箱根駅伝が廃れることはないのだろう。次の100年はあまりに遠すぎる未来ゆえ見通せないが、近い将来への希望はある。一番の関心はもちろん、それぞれの母校の次の総合優勝についてである。
「とにかく後輩たちの頑張りに期待しています」
こう言って、二人は朗らかに笑った。