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「森保ジャパンほぼ海外組」の流れを変えるか…毎熊晟矢SB覚醒は“あの監督”のおかげ、町田→鹿島でブレイク“佐野海舟のボール回収”
text by
水沼貴史Takashi Mizunuma
photograph byJFA/AFLO
posted2023/11/16 06:00
日本代表11月シリーズ活動中の毎熊晟矢と南野拓実。経験豊富な海外組に対して、毎熊ら国内組の突き上げにも期待したい
9月のトルコ戦、10月のカナダ戦で右サイドバックとして先発しており、首脳陣の期待も大きいように感じます。
★毎熊のストロングポイント:元ウインガーとしてのオフェンスの感性★
三笘薫と同じ1997年生まれの26歳。もともとはウインガーで、オフェンス面の感性には光るものがあります。トルコ戦でのアシストのようなプレーはもちろん、攻守におけるハードワークやインターセプトしてから前に出ていく推進力が魅力です。
Jリーグでも自信を感じるようになりました。前線で自分の特徴を出せるようになったことがプラスに働き、コンパクトな守備をするセレッソの中でビルドアップやポジショニングでのエラーが少なくなってきた。2022年にJ2のV・ファーレン長崎から加入し、絶対的な存在だった松田陸(現・ヴァンフォーレ甲府)からポジションを奪ったことはもっと評価されてもいい。SBへのコンバートは長崎時代のプロ1年目と言いますから、手倉森誠監督(当時)は今頃ほくそ笑んでいるでしょうね(笑)。
菅原との右SB争い…今後、必要となる能力は?
★レギュラー奪取へのカギ:伊東、久保らとの連動性向上★
今後はインターナショナルレベルの守備への対応は当然として、前線の選手とのコンビネーション向上がレギュラー奪取への関門になってくるでしょう。右SBの一番手にいる菅原由勢はビルドアップの関わり方がうまく、攻撃面の貢献度も非常に高い。毎熊と通ずる部分も多いと思いますが、現段階では日本の右サイドを担う伊東純也、久保建英、堂安律といったアタッカー陣との関係性で一歩リードしている。特に久保とは世代別代表の頃から一緒にやっているので分かり合えている部分も多いはず。
毎熊としては、限られた時間の中で彼らをどう生かし、どう生かされるかを突き詰めないといけません。決して簡単なことではないですが、継続的に招集されているのはそれを深めるためでもあり、森保監督に見込まれている何よりの証拠。オフザピッチでの振る舞いも大切にして欲しいです。
浦和産・大型ボランチ伊藤敦、鹿島の“佐野回収”にも期待
2人目は浦和の伊藤敦樹です。今回は残念ながら負傷辞退となりましたが、遠藤航や守田英正、田中碧といった充実の選手層を誇る中盤に割って入るボランチとして注目を集めています。