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「シーズン中なら絶対やらんやろ」阪神・岡田彰布監督の独断は流れを変える一手に?「ここは湯浅にかけるしかないと」《サヨナラ劇の伏線》
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph byNanae Suzuki
posted2023/11/02 15:17
日本シリーズ第4戦、8回のピンチをしのいだ阪神・湯浅京己が渾身のガッツポーズ
「いやあ誰も湯浅言わなかったんですけどね。ぶつけ本番だったけど、ここは湯浅にかけるしかないと。湯浅が出てくるとファンの方の声援でガラッとムードが変わると思った」
コーチ陣が違う投手を推す中で、岡田監督が独断で下した決断だったが、その決断はひょっとしたらシリーズそのものの流れを変える一手となるのかもしれない。
「遅くまですいません。もう少しね……すんなりと早く終わらせないといけないんですけどね。これがシリーズなのかなと思っているので」
4時間6分の死闘を制して、対戦成績を2勝2敗のタイに持ち込んだ岡田監督のお立ち台での第一声だった。
もつれた試合。いやもつれさせてしまった試合だったかもしれない。しかしシリーズに入って「普通になんてできへん」と語っていた指揮官の、言葉通りの大胆な選手起用で掴んだ勝利だ。
シリーズの流れはいまは……阪神にある。