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〈マンガ〉藤井聡太八冠独占も「まだまだ改善の余地が」に感服…「再び棋士カップル結婚もめでたい!」観る将が描く胸キュン将棋ニュース
posted2023/11/01 06:00
text by
千田純生JUNSEI CHIDA
photograph by
Keiji Ishikawa/Junsei Chida
将棋界にとどまらず、2023年のビッグニュースとして刻まれた2023年10月……まずはやはり、この大偉業から振り返っていきましょう!
1)藤井聡太八冠誕生…過去の3人にも思いをはせて
藤井聡太竜王・名人が10月11日に京都で行われた王座戦第4局、永瀬拓矢王座に勝利してシリーズを3勝1敗とし、同タイトルを初めて奪取しました。これによって竜王・名人・王位・叡王・棋王・王将・棋聖とともに八大タイトルをすべて獲得し、史上初となる「八冠全制覇」を成し遂げました!
藤井八冠の前に、全冠制覇を成し遂げた大棋士は3人います。
〈過去の「全冠独占」を達成した棋士〉
・升田幸三(1957年=三冠)
・大山康晴(1959年=三冠、1960年=四冠、1963年=五冠)
・羽生善治(1996年=七冠)
自ら「新手一生」を信条として独創的な指し回しを見せ、「名人に香車を引いた」という伝説を持つ升田実力制第四代名人、タイトル合計80期に順位戦A級44期など信じられない記録ばかりの大山十五世名人、そして言わずと知れた永世七冠の資格を持つ羽生会長……この3人と同じ地点、21歳にして藤井八冠が名前を並べるという事実が、あまりに輝かしいです。
なお編集担当さんは「藤井八冠誕生を機に、あらためて升田先生と大山先生関連の文献を読んでみると、昭和の大棋士エピソードが濃すぎて湯あたりしたような気分になりました」と言っていましたが(笑)、21世紀初の全冠制覇を成し遂げた藤井八冠が、50~100年後の未来にどのように語り継がれていくのか……。
「まだまだ改善の余地は多いと思っているのですが、10代の頃と違って何か意識的に取り組んでいかないと、棋力を伸ばしていくのがどんどん難しくなっていっているのが私の目からも感じています。なので、どうすれば実力を高めていけるのかは、しっかり考えていきたいと思っています」
王座戦の対局後、このようなコメントを残していました(なんて客観的な視野……)。今後の成長、そして将来さらに強くなる藤井八冠の姿を想像しながら今後の対局も見守っていきたいなと思います。
2)王将戦挑戦者決定リーグで永瀬九段が3連勝
将棋界は八冠誕生の余韻に浸る間もなく、それぞれの戦いが始まっています。まず触れていくのは、王将戦挑戦者決定リーグ戦です。