バレーボールPRESSBACK NUMBER
石川祐希と交代してコートに…なぜあんなに冷静だった？ 大塚達宣（23歳）がベンチで考えていたこと〈男子バレー控え組の貢献〉
posted2023/10/12 11:01
アメリカ戦でスタメン出場した大塚達宣（23歳）。パリ五輪に向けて、ポジション争いに意欲を示した
text by
市川忍Shinobu Ichikawa
photograph by
FIVB
バレーボール・パリ五輪予選の最終日アメリカ戦。前日に出場権を獲得したことでメンバーをガラッと入れ替えた日本代表の中で存在感を放ったのが、23歳のアウトサイドヒッター大塚達宣（おおつか・たつのり）だ。熾烈なポジション争いへの覚悟を明かした。
「日本代表はチーム全員が一緒に戦っているという気持ちが大きいんです。特に大塚選手はタイムアウトで僕がベンチに戻るたびに『いいプレーだよ』『ナイスだよ』『大丈夫だよ』って毎回声をかけてくれます」
オリンピック出場の原動力となった高橋藍がこう形容し、絶対的な信頼を寄せるのが同じアウトサイドヒッターの大塚達宣だ。
「代表入りしたときからずっと一緒にやってきたからこそ深い絆があるし、お互い、思うようなプレーができなくてしんどいときには、相談したり、励まし合ったりして……。ニコイチといいますか、常に一緒にやってきた選手なので、自分にとってはすごく大きな存在ですね」（高橋藍）
年齢は大塚が1学年上だが、2人は大学生のときに共にシニア代表候補入りを果たし、切磋琢磨してきた。
そんな大塚がスターティング6としてOQT（五輪予選）のコートに立った。
「サバイバルだと思ってプレーしました」
10月8日、パリ五輪最終予選の第7戦。前日に五輪行きを確定させた日本は最終戦となったアメリカ戦にスターティングメンバーをがらりと入れ替えて臨んだ。結果はフルセットでの惜敗。大塚は試合後、記者に囲まれてこう答えた。
「パリ・オリンピックには12名しか行けないわけですし、今日はそのサバイバルの場だと思ってプレーしました。特にこれまでリザーブだったメンバーが全員スタートからコートに送られたので、ポジション争いの場だと僕は受け取っていましたね」
今、自分のできることを全部出そうとコートに向かったと語る。
