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藤浪晋太郎を劇的に変えた“ある人物”…かつて落ちこぼれ、日本の野球も学んだ「オリオールズの名指導者」は何者? 現地で本人&藤浪を直撃
posted2023/09/06 06:01
text by
水次祥子Shoko Mizutsugi
photograph by
JIJI PRESS
数字が示す「藤浪の激変」
藤浪晋太郎は何が変わったのか。オリオールズに移籍してわずか1カ月。チームでいい人間関係を築けたことは、投手としてのパフォーマンスにも明確に表れている。
アスレチックスでは先発で結果が出ずリリーフに転向しても苦戦し、34試合に登板(7試合先発)し5勝8敗、3ホールド、防御率8.57だったが、7月19日のトレード移籍後19試合で1勝0敗、1セーブ1ホールド、防御率4.95。奪三振率はほぼ変わっていないが、1イニング当たりに何人の走者を出したかを示す指標WHIPは1.66から1.15に、9イニング当たりの平均四球数は5.47から4.05まで改善された(データはいずれも日本時間9月4日終了時)。
さらに特筆すべきは、球速アップと回転数の増加だ。
MLBの公式データ「Statcast」によると、フォーシームの球速が100.0マイル(約161キロ)を超えたのはシーズン序盤だった4月は175球中で1球だけ、5月は139球中3球だったが、6月は122球中40球、7月は122球中42球と6月以降に大幅に増えている。オリオールズ移籍後の8月は100.0マイル超えが112球中35球の31%と前月より若干減っているものの、102.0マイル(約164.1キロ)超えを2球投げメジャーの自己最速を更新。8月6日のメッツ戦で、1球はメジャー自己最速の102.6マイル(約165.1キロ)、もう1球は同2番目に速い102.3マイル(約164.6キロ)、を計測した。
フォーシームの回転数は今季ここまでのデータで平均2002だが、シーズン序盤は2000台になることは少なかった。それが8月23日から9月1日までの5試合を調べてみると、フォーシーム平均回転数は2168と増加している。
「名指導者」ホルト投手コーチは何者?
これだけの進化を遂げているのは、名指導者として知られるクリス・ホルト投手コーチの存在が大きい。