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慶応の応援“本当はどう感じたのか?”「クラクラした」「心地いい」割れた仙台育英の発言…2年連続・決勝校の“本音とプライド”を見た
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中村計Kei Nakamura
photograph byHideki Sugiyama
posted2023/08/24 11:04
![慶応の応援“本当はどう感じたのか?”「クラクラした」「心地いい」割れた仙台育英の発言…2年連続・決勝校の“本音とプライド”を見た<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama](https://number.ismcdn.jp/mwimgs/0/3/700/img_0396d2539d7f1724d8eb34a88a04fc21227520.jpg)
夏の甲子園決勝で慶応に敗れた仙台育英ナイン
頭に残る音「ずっと流れているような感じ」
その疲労感は、打撃にも影響した。監督の須江航が「右ではナンバー1のバッター」と絶賛していた「6番・レフト」の鈴木は、3打席連続三振に終わった。
「(攻撃中も)ずっと慶応の音楽が流れているような感じになってしまって。力んでしまって、打てなかったです」
慶応の大声援は守備のミスも誘発した。
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5回表、2アウト二、三塁。慶応の1番・丸田湊斗の打球は、レフトとセンターの間にフラフラと上がった。鈴木も、センターの橋本も「オッケー! オッケー!」と大声を出したが、互いにまったく聞こえなかったと言う。2人はぶつかってしまい、落球。試合を決定づけたといってもいい2点を失い、慶応に2−7と突き放された。
橋本は目に涙をためながら振り返った。
「想像してた以上では、ありました。外野の後ろも全員、慶応のファンなので、ピンチになるにつれて、重い……というか。だいぶ、きつかったな、というのがあります」
監督・主将が見せた「プライド」
もちろん、心の準備はしていた。須江は「一塁側アルプス以外、全部慶応ファンで埋まるかもしれない」くらいの話をしていたという。
それだけに、言い訳にはしたくなかったのだろう、主将の山田脩也は毅然とした態度でこう言い切った。
「あの大声援だから、むしろ、楽しめたと思います」
須江も慶応の応援の影響はきっぱり否定した。
「僕は何とも思ってないので。選手に聞いてみてください。心地いいものでしたよ。選手は、また、違う感情があったのかもしれませんね」
試合後の仙台育英サイドは、本音とプライドが交錯していた。
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