主治医に怒られても…「タイトルマッチをやらせて」

　本格復帰戦、いきなり東北ジュニアヘビー級王座に挑戦する。望んだのはハヤト自身だった。

「負担の少ない6人タッグとかで“おかえり”ムードで試合することもできたんでしょうけど、それは違うなって。そういう試合だったら、そこで満足して引退してたと思います。僕が思ったのは、この（復帰）ストーリーだったらタイトルマッチのほうが盛り上がるなと。団体とも毎日、話をして。絶対に盛り上げるからタイトルマッチをやらせてほしいと」

　その試合でタイトルを獲得、専門誌の表紙を飾った。本当のことを言えば、腰に痛みはある。

「たとえば蹴りを出す時に腰を捻ると痛い時があります。逆エビ固めなんて、たぶん身体がうつ伏せになった瞬間にギブアップですね。できないこと、受けられない技はあります。つなげた神経が切れたら終わりなので」

　都内の大会には、できるだけ主治医に来てもらう。気をつけなければいけないこと、やってはいけないことはたくさんあって、でも「試合になるとそれが頭から飛んじゃう（笑）」そうだ。試合が激しすぎて、主治医に怒られることも。

「先生たちからすれば、立って歩けているだけで充分という感覚だと思います。でもプロレスやることを凄く応援してくれてもいるんで。“とにかく今の（試合ができる）状態をキープできるようにやってみようか”と言ってくれて」

蹴りを出す時には痛みも。都内の大会には、できるだけ主治医にも来てもらっているという　©GLEAT

試合前に検査、試合後も検査

　試合の前には、1週間ほどかけて病院で検査を行う。そこでOKが出て初めてリングに上がることができる。試合後も検査。基本的には月に1回、2日でまとめて2試合のペースなら、ということで許可が出ている。

「と言いながら、8月はけっこう試合が入ってますね。みちのくプロレスで青森のイベントがあって、それはどうしても出たくて。青森での試合は7年ぶり。みちのくプロレスは東北がベース。しばらく試合をしてない東北の県には、できるだけ行きたいです」

　今年7月、GLEAT初参戦で巻いたのはUWF系ルールのベルト。かつて前田日明や高田延彦が所属したUWFは、ロープエスケープやダウンがポイントとなる、厳密なルールを採用。蹴りや関節技が主体の、いわゆる“格闘プロレス”だ。ハヤトのファイトスタイルにはうってつけだった。

「頭突きやヒールホールドが禁止なのは不安でしたね。普段の試合では自然に頭突きしてるし、ヒールは柔術・グラップリングの練習で使うので。でもやってみたら楽しかった。昔のUWF系が好きだっただけに“もっとできるはず”という気持ちもありますけど」

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