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「世界水泳メダル2個も問題だが…」競泳日本代表に今、何が起きているのか? コーチ「20年前に戻ってしまった」のコメントが示す“重大な課題” 

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松原孝臣

松原孝臣Takaomi Matsubara

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photograph byJIJI PRESS

posted2023/08/03 11:01

「世界水泳メダル2個も問題だが…」競泳日本代表に今、何が起きているのか? コーチ「20年前に戻ってしまった」のコメントが示す“重大な課題”<Number Web> photograph by JIJI PRESS

福岡で開催された世界水泳。競泳日本勢はまさかのメダル2個に終わった。写真は銅メダルを獲得した本多灯

 チーム再建のヒントになったのは、高校の部活だった。学校対抗戦で一丸となって臨むことで選手が力を発揮することに着目し、代表のチーム化を進めたのだ。

 所属間の垣根も取り払うことで、コーチが違う所属先の選手にアドバイスをおくる光景が生まれ、また選手間の関係も強まり、お互いに励ましあう、選手同士でアドバイスするのも珍しくなくなったという。経験者が若い選手に自身の体験を伝えるなどし、それを糧として切磋琢磨する空気も培われていった。

 チーム化を図り、2000年のシドニー五輪で銀2、銅2、計4個のメダルを獲得、2004年アテネ五輪では金3、銀1、銅4で計8個のメダルを得た。

日本競泳界の“再建のカギ”は?

 チームとしての日本代表を示している言葉がある。

「競泳は27人で1つのチーム。最後の男子リレーの自由形の選手がタッチするまで、27人のリレーは終わりません」

 今回の世界選手権にも出場した入江陵介が、2012年ロンドン五輪期間中に発した言葉だ。チームとしての意識が根付いていたことを表している。

 先の平井氏の言葉は、日本が培ってきたチームとしての意識が薄れつつあることを示しているかのように思われる。

 日本開催の今大会は、40名と通常以上に多くの選手が出場した。それぞれに得た経験や課題はあっただろう。それらを生かしつつ、強化の過程から情報を共有し、アドバイスをおくり合い、互いを刺激としつつ励む――よりまとまりのある方向性を打ち出すことが再建の鍵になるのではないか。

 どのようにして競泳日本が、日本の選手たちが強くなってきたのか。そこに手がかりはある。

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。

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