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「大竹のこと、心配してたんです」勉強も野球も“超エリートだった”大竹耕太郎の挫折…高校時代の恩師・同級生が語る“阪神で覚醒”の本音
text by
田尻耕太郎Kotaro Tajiri
photograph byJIJI PRESS
posted2023/06/21 11:04
大竹耕太郎27歳。ソフトバンク「苦悩の5年間」を経て、阪神移籍後になぜ覚醒したのか?
池田は2015年に済々黌の監督を退任。現在はコーチとして野球部の指導にあたっている。
林は済々黌を卒業後に一浪を経て地元国立の熊本大学に入学。教員免許を取得して小学校教員となった。野球は大学まで続け、現在は熊本県教職員で構成されるソフトボールチームで時折ボールを追いかけているという。
「大竹投手を見たら、林先生ば思い出す~」
林も自慢の同級生に「2桁勝ってほしい」とエールを送る。
「大竹は僕の誇り。自分が子供の頃に抱いた『プロ野球選手になりたい』という夢を、代わりに叶えてくれた。僕にとってずっとヒーローです。以前から周りに『大竹って知っとる? 同級生ばい』と言い回っていましたが、今年はやっぱり反応がいい。小学校のほかの先生たちから『大竹投手を見たら、林先生ば思い出す~』と言われます(笑)」
苦悩のソフトバンク時代を経た同級生は、いまでは阪神に欠かせない投手にまで激変した。そんな大竹に、林はひとつだけ“気がかり”な点があると言う。
「あれ、どうしちゃったんですかね」
大竹が投稿するインスタグラムの内容である。去年の暮れに「最近お香にハマってます」と言えば、今年はストレス発散方法を聞かれた際「お花生けるのとか」とカーネーションの写真をショート動画でUP……。
「あれ、どうしちゃったんですかね(笑)。普段緊張感のある舞台でプレーしているので、リラックス効果がある香水はまだ理解できるんです。でもなんで急に花が趣味になったのかなって。今度直接聞いてみます。
私事なのですが、今年12月に結婚式を挙げる予定でして。活躍したのでシーズンオフも忙しくなると思うけど、大竹にも来てほしい。ざわつくでしょうね。大竹がその場の主役になってもいいので」
恩師も、同級生も。熊本から大竹を見守っている。