実際、マクアリステルは三笘について「トップクラスの選手」と絶賛していた。アルゼンチン代表のスター選手、アンヘル・ディマリアについて問われた際は「トップ、トップ、トップクラスの選手」と“トップ”の言葉を3回繰り返した。三笘に少しばかり差をつけ、母国の先輩に配慮していたのが微笑ましかったが、突破力に長ける日本代表を高く評価していた。

「そして、ミトマもいる」ペップが名前を出した

　中盤中央に陣取るマクアリステルが展開し、左サイドの三笘が守備網を突破して、最後はCFのエバン・ファーガソンが仕留める──。そんなブライトンのサッカーを絶賛していたのが、マンチェスター・シティのペップ・グアルディオラ監督だ。ブライトンが来季の欧州カップ戦出場を決めると、ロベルト・デゼルビ監督とその独自のサッカースタイルを激賞した。

「ブライトンのサッカーは、まるでミシュランのレストランのようだ。かつてスペインのカタルーニャに『エル・ブジ』という名のレストランがあった。シェフのフェラン・アドリアが経営する、ミシュランの星付きレストランだ。フェラン・アドリアは長きにわたり最高のシェフとして知られ、料理の概念を根本から覆した。

　ブライトンのプレースタイルも独特で、非常に特別だ。選手の動き方も、プレーの仕方も、本当にユニークだ。ロベルト・デゼルビ監督は、過去20年のサッカー界において多大な影響を与えた人物のひとりに数えられる。ブライトンのようなプレーをするチームは、他でお目にかかれない。

（昨年9月に就任し）この短期間でここまでチームを作り上げてくるとは思わなかった。ブライトンは、我々が見たことのないような方法でボールを支配し、1試合平均で20～25回のチャンスを作り出している。GKも、まるでホールディング・ミッドフィールダーのようにプレーするからね。称賛の言葉を送りたいし、成功と呼ぶに相応しいプレーを見せていると思う」

葉巻を吸うペップ・グアルディオラ監督。マンチェスター・シティをプレミアリーグ、FAカップ、CLのトレブル（3冠）に導いた　©Getty Images

　5月24日に行われたブライトン対マンチェスター・Cの試合後も、グアルディオラ監督はブライトンを直接褒めていた。「CBのレビ・コルウィルがいて、カイセドやグロス、マクアリステルが短くパスをつなぐ。そして、ミトマもいる。彼らは規格外のチームだ。本当に、本当に素晴らしい。見ていて本当に楽しい」と感心した様子で語った。

　過去を振り返っても、ペップがここまで相手チームを褒めるのは実に珍しい。それほどまで、ブライトンは魅力的なサッカーを見せていた、ということなのだろう。

MFカイセドも退団か

　ただ今季のチームは、これで見納めとなる。ブライトンの基本方針は「安価で選手を獲得し、自前で育てて、高値で売却する」こと。このサイクルを繰り返すことで、12年前に英3部にいた彼らは、クラブ史上最高位となる6位まで上り詰めた。今オフも主力の売却が進められ、マクアリステルの次はMFモイセス・カイセドがブライトンを離れる見通しだ。

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