海外サッカーPRESSBACK NUMBER

育てて売るだけ、じゃない…ブンデスの中堅「フライブルク」が堂安律、鈴木唯人ら日本人選手を成長させられる理由「毎週監督と個別反省会も」 

posted2026/11/05 11:04

 
育てて売るだけ、じゃない…ブンデスの中堅「フライブルク」が堂安律、鈴木唯人ら日本人選手を成長させられる理由「毎週監督と個別反省会も」 <Number Web> photograph by Getty Images

フライブルクで着実に成長を見せている鈴木唯人。そこには、かつて“あの日本代表選手”を獲得したときから続く成長支援ポリシーがあるのだという

text by

中野吉之伴

中野吉之伴Kichinosuke Nakano

PROFILE

photograph by

Getty Images

選手を育てて売る「育成クラブ」とも見られながら、ブンデスリーガ上位を争うフライブルク。鈴木唯人、後藤啓介ら日本人選手がその重要な戦力になっている。育成だけではないクラブに転換を果たした過程には、ある日本人選手を獲得した経験も大きかったという。それは——。クラブ幹部に訊いた。〈全2回の2回目/1回目から読む〉

 選手を大事にするという根本を探るために、フライブルクというクラブの土台までさかのぼって考えてみたい。フライブルクは長く、自前の選手を育ててトップチームに送り出すクラブとして知られてきた。その原点の一つが、1991年から2007年まで長く監督を務め、その後浦和レッズを率いたこともあるフォルカー・フィンケの時代にある。資金力で勝るクラブに対抗するため、目先の補強だけに頼らず、選手が育つ仕組みに投資する道を選んだ。

年間予算の約半分を投じて開設した育成アカデミー

 2001年に開設されたフライブルクの育成アカデミーは、「Steine statt Beine(選手より施設への投資)」という考えをもとに、当時の年間予算約4500万~5000万ドイツマルクのうち、約2000万ドイツマルク(約1000万ユーロ)が投じられた。育成を重視しても成果が出る保証はない。それでも、長い時間をかけて人を育てる覚悟を決め、そしてこの25年間で、アカデミー出身者73人がフライブルクのトップチーム昇格を果たしている。

 スポーツ部門取締役のヨッヘン・ザイアーは成功の理由を、特別なトレーニング方法には求めていない。

ADVERTISEMENT

「いい共同作業の積み重ねのたまものです。チームスポーツであるサッカーにおけるベーシックを丁寧に、継続してやり続ける。クラブにある雰囲気もうまくいっている理由の一つです。ここではあくまでも普通の生活を大事にしています」

 こうしたクラブの考え方は、海外から才能を迎え入れる際にも、重要視されている。育成アカデミーダイレクターのアンドレアス・シュタイエルトは、その判断をこう表現した。

【次ページ】 成長と順応のポテンシャルという評価基準

1 2 3 4 NEXT
#フライブルク
#鈴木唯人
#ヨッヘン・ザイアー
#山本理仁
#後藤啓介
#矢野貴章
#ユリアン・シュースター

海外サッカーの前後の記事

ページトップ