濃度・オブ・ザ・リングBACK NUMBER
タップの瞬間、RENAの顔は歪んでいた…“衝撃の敗戦”はなぜ起きたのか? 対戦相手は「またRIZINで試合がしたい」、“カラフルな海外勢”がもたらすものは
text by
橋本宗洋Norihiro Hashimoto
photograph byRIZIN FF Susumu Nagao
posted2023/05/08 17:01
RENAはクレア・ロペスに敗戦。右膝外側側副靱帯の部分断裂とともに、痛い黒星となった
日本勢だけではない、“カラフルな海外勢”の参戦復活
世界的に普及、発展しているMMAでは、もはやどこにも“手頃な相手”などいないのかもしれない。楽なマッチメイクをしても、ファンにはすぐに分かってしまう時代でもある。
昨年春から、RIZINには本格的に外国人(海外ジム所属)選手が参戦するようになっている。コロナ禍では日本勢同士が中心だったが、海外勢が戻ってくると国際戦の難しさが浮き彫りになった。この1年、日本勢は負け越し。昨年大晦日のRIZINvsベラトール対抗戦では、RIZINの5戦全敗という結果に終わっている(ベラトール陣営には堀口恭司もいたが、彼はアメリカ在住だ)。
だからダメだ、と言うつもりはない。もちろん日本のファンは日本勢の勝利が見たいだろう。けれど外国勢が勝つのはつまらないということではない。ある関係者は、かつてこう言っていた。
「結局メジャーって、外国人(が出るイベント)のことだからね」
旧K-1ではピーター・アーツやアンディ・フグが観客を魅了した。PRIDEにはエメリヤーエンコ・ヒョードルやアントニオ・ホドリゴ・ノゲイラがいた。強くて個性的な彼らは日本のファンにも愛され、その強さが大会のレベルを引き上げてもいた。
RIZINにはホベルト・サトシ・ソウザやクレベル・コイケのような日系ブラジリアンのチャンピオンがいて、ベラトールの選手としてRIZINのベルトを狙うフアン・アーチュレッタがいて、アメリカのジムに所属する堀口恭司もいる。
そんなカラフルなラインナップに、クレア・ロペスという心身ともにタフなファイターが加わった。RENAの早期回復を願うと同時に、ロペスの次戦も楽しみにしている。
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