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競馬PRESSBACK NUMBER
「女の子にケガさせたらいけないと言われて…」牧場育ち→浦和の新人女性騎手が直面した壁「男性騎手が真っ裸で仁王立ちしていたことも(笑)」
posted2023/02/15 17:05
text by
大恵陽子Yoko Oe
photograph by
Keiji Ishikawa
七夕の短冊には「大きくなったら騎手になる」
――平山調教師はどのようなきっかけで騎手を目指したんですか?
平山真希調教師(以下、平山) 父が休養中やデビュー前の競走馬を預かって調教する牧場で働いていて、自宅の窓から馬が見えるような環境で育ちました。物心つく頃には親と一緒に馬に乗っていて、そのうち「1人で乗りたい!」と言うくらい乗馬が好きでした。馬に乗る時には鐙(あぶみ)という所に足を置くんですけど、まだ小さくて足が届かなくて踏ん張れず、馬が走るとポロンって落っこちては「なんで上手く乗れないの?」と泣いていました。負けず嫌いもあって、小学生くらいから七夕の短冊には「大きくなったら騎手になる」と書いていました。
――そうして騎手を目指すようになったんですね。騎手になるには中央デビューを目指すJRA競馬学校か、各地の地方競馬でデビューとなる地方競馬教養センターに入所するのが一般的な流れです。
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平山 中学3年生で進路を考えた時は地方競馬の存在は知らなくて、競馬と言えばテレビで見たり父の牧場に休養に来ていた馬が走っていた中央競馬でした。そこで競馬学校を受けたんですけど、試験には懸垂などの体力測定があって、その結果が厳しくて2回とも不合格。嫌々高校に通っていた時に、親の知り合いに地方競馬の浦和競馬場で厩務員をしている方がいて、「地方競馬もあるんだよ」と教えてもらいました。地方競馬の存在を知ってからは早く競馬場に行きたくて仕方なくて、高校を中退しました。でも、いざ地方競馬教養センターを受けようと思って受験日を聞いたら、「昨日が願書の締め切りだった」って(笑)。
――漫画のような話ですね。なんという運命のいたずら。
平山 そこで、厩務員の面接を受けて次の試験までの間、厩舎に住み込んで働くことにしました。
みんながいるところで怒鳴り散らすような先生
――願書の締め切り日を確認するより先に高校を中退して厩舎に行ったとのことですが、受け入れ厩舎はすぐに見つかりましたか?