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「昌磨のマジックを見せて!」世界王者・宇野昌磨を奮起させたランビエル・コーチの激励…300点超えに「スーパーエキサイティング」 

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野口美惠

野口美惠Yoshie Noguchi

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photograph byAsami Enomoto

posted2022/12/14 17:21

「昌磨のマジックを見せて!」世界王者・宇野昌磨を奮起させたランビエル・コーチの激励…300点超えに「スーパーエキサイティング」<Number Web> photograph by Asami Enomoto

フィギュアGPファイナル、唯一の300点超で初優勝を飾った宇野昌磨

「久々に充実感を持って、この大会に臨めています。後悔のない練習を積み重ねてこられたからこそ、練習が試合でどう出るか、自分を知るための良い試合になると思います。今回は(コーチと)2人で心地よい大会にできたら良いな、というのが自分の心の中にあります」

 ショートは、冒頭で美しい4回転フリップを成功。すべてのジャンプに加点がつき、99.99点での首位発進となった。

「今季この試合までにやってきたことはしっかり出せたのかな、と思います」

 そう、充実感をにじませた。

会場ヒートアップの中、最終滑走で…

 頂上決戦となるフリーは、レベルの高い演技が続いた。佐藤駿、山本草太とも3本の4回転を成功させ、イリア・マリニン(米国)は4回転アクセルを含め5本の4回転を降りる。会場がヒートアップしていくなか、最終滑走で出番を迎えた。ランビエルコーチは言う。

「今日はどのスケーターも良い演技をし、とてもタフな戦いに、私はとてもナーバスになっていました。しかし、リンクに降りた昌磨の力強い目を見て、逆にパワーをもらいました」

 むしろ宇野はこう感じていた。

「世界一を決めるという大きな大会だったので、僕が想像していた以上に周りの方々が緊張していました。僕は1つの試合として、良い練習が積めていたからこそ全然緊張していませんでした。むしろ、直前の草太くんの演技が素晴らしいもので、すごく嬉しかったです」

 フリーは、冒頭3つの4回転をクリーンに降りると波に乗る。連続ジャンプを抜いた部分はあったが、1つ1つのジャンプを落ち着いて決めた。伸びやかで、そして力強く、独特のしっとりとした世界観を醸し出す美しい演技。フィニッシュポーズから、そのまま氷にぺたんと座り込むと、やりきった笑顔が溢れた。

「僕は、練習以上を試合では求めていない」

 フリーは204.47点、総合304.46点での300点超え。ランビエルコーチと出水慎一トレーナーと、3人で熱いハグを交わした。

「ほぼ万全の状態で来た時に、練習通りの内容が出せたのはよい傾向だと思います。コンビネーションジャンプはあまり練習をして来れていなかったので、試合では跳ばないだろうと思っていましたし。僕は、練習以上を試合では求めていないです」

 会場での優勝インタビューでは、こう話した。

【次ページ】 宇野の言葉に、コーチは苦笑い

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