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「一瞬、羽生結弦さんと2人だけの空間に…」ケガから復帰の平昌五輪、フォトグラファー・遠藤啓生がとらえた「乗り越えたことを証明する直前の表情」 

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松原孝臣

松原孝臣Takaomi Matsubara

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photograph byHiroki Endo/Asahi Shimbun

posted2022/11/13 11:03

「一瞬、羽生結弦さんと2人だけの空間に…」ケガから復帰の平昌五輪、フォトグラファー・遠藤啓生がとらえた「乗り越えたことを証明する直前の表情」<Number Web> photograph by Hiroki Endo/Asahi Shimbun

ケガから復帰し、平昌五輪で演技を行う直前の羽生結弦の表情。2連覇を成し遂げる演技がされるまでの本人の表情をとらえた1枚だ

 全身を使って、一分の隙もなく表現するのが羽生であるとも言える。遠藤は、羽生がそうしたレベルに到達した表現者である理由を、こう考えている。

なぜ全身でなくても写真として成立するのか?

「責任感なのではないでしょうか。記者会見でも日本を代表している自覚と責任感はすごいし、大変だな、といつも思っています。ただ、だからこそ、1つ1つのしぐさも気を遣っているだろうし、それが(今の羽生さんに)つながっているのではないでしょうか」

 競技に取り組む姿勢を感じ取り、またフォトグラファーとして構図の可能性に気付かされた。だからこそ、こう語る。

「個人的にフォトグラファーとして育ててもらった。それに尽きますね。彼を追うことでかなり成長できたし、フォトグラファーとしての醍醐味もすごく感じていましたし、スポーツってすごくいいよな、と思わせてくれたのが羽生さんでした。

 こういう撮り方もできるんだと幅は広がったし、違う現場に行っても、その引き出しが活かされてますね」

遠藤さんの今後は「ドキュメンタリー制作を手がけていきたい」

 遠藤は2021年10月、国際報道部に異動。北京五輪が行われている最中の2022年2月16日、ウクライナ入りした。ロシアが侵攻する前から当地で取材にあたっていた。映像で伝えることの大切さを実感した遠藤は朝日新聞社を今夏に退社。ドキュメンタリー制作を手がけていきたいという。

 その中にはフィギュアスケートを取り上げる構想もあるという。

「ライフワークみたいにできたらなとは思っています」

 スチールから映像に力点を移し、遠藤は羽生の撮影で気づくことができた経験もいかしていくだろう。その映像の中で、もしかするといつの日か羽生を再びとらえているのかもしれない。

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「羽生結弦さんを見る目がかわりました」元朝日新聞フォトグラファーが振り返る10年前“伝説のニース“「隣で“菅原さん”が涙を流していて…」

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。

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