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秋華賞のカギを握る“手術明け”スターズオンアースの状態は? “三冠牝馬”誕生を阻止するとしたら「潜在能力がスゴい」あの馬か

posted2022/10/15 11:03

 
秋華賞のカギを握る“手術明け”スターズオンアースの状態は? “三冠牝馬”誕生を阻止するとしたら「潜在能力がスゴい」あの馬か<Number Web> photograph by Keiji Ishikawa

桜花賞、オークスを制し牝馬三冠がかかるスターズオンアース

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島田明宏

島田明宏Akihiro Shimada

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Keiji Ishikawa

 史上7頭目の牝馬三冠馬が誕生するのか。それとも、「母の忘れ物」と「一族の忘れ物」を取りにきた2頭のどちらかがGI初勝利を果たすのか。

 牝馬三冠競走を締めくくる第27回秋華賞(10月16日、阪神芝内回り2000m、3歳牝馬GI)は、実に見どころの多い一戦だ。

スターズオンアースの状態は?

 春の二冠を制したスターズオンアース(父ドゥラメンテ、美浦・高柳瑞樹厩舎)が、史上7頭目の牝馬三冠制覇の偉業達成に挑む。

 オークス後、両前脚の剥離骨折が判明し、骨片除去手術を経て、ここに駒を進めてきた。

 骨折の影響が気になるところだが、生産者の社台ファームの吉田照哉代表は、骨片はもともとあって、痛みを感じていなかったとスポーツ紙の取材で話している。また、高柳調教師によると、手術せずに温存する選択肢もあったという。

 桜花賞では馬群をこじ開けて鼻差の勝利をもぎ取り、オークスでは大外18番枠をモノともせず、メンバー最速の末脚で突き抜けた。

 世代トップの能力の持ち主であることは間違いなく、あとは状態がどうかだけ。

 1週前追い切りと本追い切りには主戦のクリストフ・ルメールが騎乗。骨折の影響を感じさせない、かろやかな動きを見せた。

「すぐ反応できました。トップコンディションになりました」とルメール。ルメールの「トップコンディション」というコメントは信頼できる。

 阪神芝内回り2000mは大阪杯と同じ舞台。小回りで直線が短く、ラスト200mから急な上り坂がある。中山の2000mほどトリッキーではないが、タフなコースで、3コーナーから動き出す競馬が多い。器用さとパワーの両方、つまり、総合力が求められるだけに、本命馬が力を出しやすいコースと言えよう。

 2代母スタセリタは、ルメールの手綱でフランスオークスを制した。その娘で、スターズオンアースの叔母にあたるソウルスターリングは、ルメールが乗って日本のオークスを勝っている。

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