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巨人の”新4番”中田翔33歳は何が変わったのか?「 追い込まれても正直、狙っていたけど今は…」「4番はカズマ(岡本和真)の打順」
posted2022/09/10 06:00
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph by
SANKEI SHIMBUN
すっかり打撃の内容が逆転してしまったように見える。
2018年から巨人の4番を打ってきた岡本和真内野手と、その岡本に代わって第91代の4番打者となった中田翔内野手のバッティングである。
9月8日のDeNA戦。
4番・中田のバットがチームの窮地を救った。1点を追う5回1死一、二塁だった。
「打席の中では自分のスイングをしようというだけでしたし、何とか点を取りたいという気持ちが強かったですね」
DeNAの2番手右腕・平田真吾投手のインローへのツーシームが餌食となった。オープンに構えた独特なフォームから巧みなスイングで中田がバットを振り抜くと、打球は左翼席へと飛び込む逆転3ランに。前日には23安打18得点と巨人の猛打爆発の中で豪快な2ランを放っており、4番として2試合連発を含む6本塁打。その重責を果たして余りある活躍を見せている。
中田に4番を譲った岡本の”長いトンネル”
一方で長いトンネルを抜け出せないのが、中田に4番を譲った岡本である。
前日には猛打爆発の波に乗って3安打を放ったが、安打はすべてシングルヒット。そして中田の逆転弾が飛び出した8日の試合では、7回の第4打席で左翼線にホームラン性の打球を放ったものの、これがわずかにファウルとなると、座り込んで頭を抱える姿を見せた。
結局、三ゴロに倒れてこれで6試合続けて本塁打は出ていない。中田に4番を明け渡してから24試合でわずか3本塁打。なかなか打球が上がらないことで、スイングがおかしくなってしまっているように見えるのである。
「はっきり言って今までは長打が欲しいところで、長打が打てるということを意識していた。2ストライクに追い込まれてからも、正直、長打を狙っている打席が多かったと思います。でもいまはやっぱり(打席での意識が)変わっていると思います」
中田はこう語った。
以前に原辰徳監督の取材をした際に「最低限の仕事」という話が出たことがある。