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タイガー・クイーンを激怒させた“ヒール殺法”…乱入に凶器攻撃、待望のライバルは何でもありの“闇の軍団”?
posted2022/09/08 17:00
text by
橋本宗洋Norihiro Hashimoto
photograph by
Norihiro Hashimoto
“女子版タイガーマスク”ことタイガー・クイーンが、この夏デビュー1周年を迎えた。
初代タイガーマスク・佐山聡と女子プロレス界のレジェンド・ジャガー横田が指導する正体不明の覆面レスラーは、昨年7月29日のストロングスタイルプロレス後楽園ホール大会でデビュー。ジャガーが「初代タイガーのクローン」と絶賛する動きで注目された。
タイガーステップと呼ばれる足さばきからサマーソルトキック、各種空中技、そしてタイガー・スープレックス。初代の技を使いこなす姿は昭和のプロレスファンの郷愁を誘い、なおかつ“女子”という点で新しいものでもあった。
デビューからシングルマッチは8連勝中
デビュー戦でトップ選手の“デスマッチ・アマゾネス”山下りなに勝利。そこからシングルマッチ8試合を行なって全勝、タッグマッチは6戦して3勝3敗だが、負けはすべてパートナーが喫したもの。クイーン自身はいまだ3カウントもギブアップも許していない。
勝った相手は山下、彩羽匠、高瀬みゆき、世羅りさなど第一線で活躍する女子レスラーばかり。実績のある選手たちを次々と“食って”、しかしそれがなかなかドラマ、ストーリーにつながっていかないジレンマもあった。
ライバルの必要性は周囲も認めるところで、師である佐山聡は「女子版ダイナマイト・キッド」の育成について言及したこともある。言うまでもなく、キッドは初代タイガーの最大のライバルだ。
反則を使いこなす「ダーカーズ」
クイーンには試合をして勝つというだけではない“次なる展開”が待ち望まれていた。そこに現れたのが、謎のユニット「DarkerZ(ダーカーズ)」だ。
ダーク・タイガー、ダーク・パンサー、ダーク・チーターの3人からなるダーカーズ。リングネームからも分かるように、タイガー・クイーンのオポジションがその存在意義である。
初参戦は6月9日のストロングスタイルプロレス後楽園大会。もともとこの大会ではクイーンvs.高瀬の2戦目が行なわれる予定だったが、ダーカーズが会見に乱入。クイーンに対戦要求し、急きょカードが変更となった。