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「FW久保建英の鮮烈ボレー弾」を間近で撮った…カメラマンが感じる「ぶっつけで結果を残したタケ+ソシエダの化学反応」とは
text by
中島大介Daisuke Nakashima
photograph byDaisuke Nakashima
posted2022/08/17 11:03
鮮やかなボレーシュートで移籍後初得点を挙げ、握りこぶしを作って喜ぶ久保建英。レアル・ソシエダで最高のスタートを切った
後半は――失点を許したとはいえ――カディスの守備ラインは固く、ソシエダとしては崩しきれない苦しい時間が続いた。
そこでソシエダ監督のイマノルは、メンバー交代の前に、ポジションのチェンジで打開を図った。イサクを右ウイング、久保を左に張り、中央にはシルバを偽9番として配置したのだ。前述した久保のFW抜擢など、戦術の幅広さを感じさせる采配だった。
久保の抜け出しから多くのチャンスが生まれた
その中で、得点シーンと同じ形で、久保の抜け出しに対し、後方からピンポイントのフィードが何度か届いた。
これらのチャンスは残念ながら――得点につなげることができなかった。久保の表情が物語る悔しさ。これが決まっていれば。大きくチームを助けることができたはずだ。
そして何より、その結果が久保自身の評価につながるのだから。
ソシエダのメンバーとしてのリーガ初戦を、自身のゴールで勝利へと導いた久保。
次節は、ホームにバルサを迎えての一戦となる。今シーズン多くの新メンバーを補強したものの、初戦を引き分けたバルサは、必勝で向かってくる。
そんなバルサを相手に、久保、そしてソシエダがどんな戦いをするのか楽しみなカードだ。
この試合の行われたカディスの街スナップ写真も追記したい。
スペイン南西に位置し、大西洋に面する半島の街だ。そのためスタジアムからも通りを挟んだ住宅の向こう側にビーチを望むこともできる。
この週末は連休だったため、街中には多くの観光客の姿を目にすることができた。旧市街は細い路地が入り組んでおり、様々な商店が並ぶ。首都マドリードよりアフリカ大陸の方が近い立地ながらも、大西洋からの冷たい風が心地よく湿気を感じない。
木陰のカフェでビールやワインを楽しむ人々の姿が印象的だった。