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J1清水加入「ピカチュウ」30歳の苦労人ぶりが泣ける 「最初は嫌だった。本名で呼んでほしい」も“ポケモン愛称”を受け入れたワケ
text by
沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph byLeonardo Fernandez/Getty Images
posted2022/07/23 17:01
J1清水に加入したピカチュウ。その名前が注目されがちだが実力者だ
2018年8月、ブラジルのテレビが彼のインタビュー番組を制作した際、すでに他クラブの監督となっていたゼ・リカルドは、「彼は大変な努力家で、人間性も素晴らしい」と絶賛。「いつかまた、一緒に仕事をしたいものだ」とコメントを寄せている。4年後の今、この言葉が実現した。
控えめだけどユニークで愉快な性格
このインタビュー番組で、彼は出身地であるブラジル北東部の音楽に合わせ、両肩を左右に小刻みに盛んに揺する風変わりなダンスを披露した。
また、当時、バスコダガマの監督を務めていた元ブラジル代表右SBジョルジーニョ(1995年から98年まで鹿島アントラーズでもプレーし、2012年には監督も務めた)を故郷の訛りで「ジョルジニオ」と発音し、インタビュアーを爆笑させた。
控え目で、派手さはないが、ユニークで愉快な性格の持ち主なのである。
昨年は中堅クラブ、フォルタレーザでプレーし、ブラジル1部で34試合に出場して9得点5アシスト、コパ・ド・ブラジルで8試合に出場して2得点1アシスト。リーグ4位、コパ・ド・ブラジルでベスト4というクラブ史上最高の成績に大きく貢献し、ブラジルリーグのベストイレブン(右SB部門)に選出された。
セレソンに入っても不思議ではない実力
今年は、7月14日までブラジルリーグで14試合に出場して4得点で、すべての大会を合計すると44試合に出場して17得点7アシストを記録していた。
年齢別も含めてブラジル代表に選ばれたことはないが、選ばれてもおかしくなかった実力の持ち主だ。
7月16日現在、清水エスパルスはJリーグで4勝8分10敗の勝ち点20。自動降格圏の17位に沈んでいる。
ゼ・リカルド監督が全幅の信頼を寄せるピカチュウの加入が起爆剤となって、清水はJ1残留を成し遂げることができるかどうか。さらに、清水以外のファンからも、名前によるインパクトもあって、大きな注目を集めるにちがいない。
第2回ではピカチュウを含めてユニークなものが多いブラジル人選手の“フットボールネーム”について掘り下げてみる。<#2/ブラジル人選手ニックネームのナゾにつづく>
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