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“J1出場ゼロ&代表歴なし”でもベルギー名門から1.6億円超オファー…164cm本間至恩(21)は何がスゴい? 新潟との「幸せな別れ」とは
text by
安藤隆人Takahito Ando
photograph byJ.LEAGUE
posted2022/07/11 11:02
J1昇格を目指すJ2アルビレックス新潟からベルギーリーグで3連覇中の名門、クラブ・ブルージュへの移籍が濃厚となったMF本間至恩(21歳)
そんなドリブラーをJ1のクラブが放っておくはずがない。オフや移籍市場が開くたびに移籍の噂があとをたたなかったが、本間はそれを一切見向きもせず、生まれ育った“新潟”でのプレーを選択し続けた。
そしてプロ4年目の22年7月、満を辞して夢の海外移籍を決断した。現在チームはJ1昇格争いの中心におり、このタイミングでの放出はクラブとしてもサポーターとしても痛手であることは間違いない。しかし、彼がこれまで貫いてきた新潟愛を何よりも知っているからこそ、誰もこの決断に異を唱えなかった。
むしろ、億を超える多額の移籍金だけでなく、ジュニアユースから新潟に所属していた本間は移籍の際に発生する育成フィーもほぼほぼ満額でクラブに残した。この先ステップアップをした場合は、さらにプロ3年半分の育成フィーも加わる可能性もある。
まさに愛するクラブに恩返しをした“孝行息子”の旅立ち。新潟にとっても、積み上げてきたものの価値を証明する「幸せな別れ」なのだ。
アルビレックス新潟オフィシャルサイトより。公式リリースには600文字を超えるメッセージを添えた
「観客が見ていて、僕のプレーでワクワクしてくれるようなプレーをしたい」
あどけなさを残していた少年が、真っ直ぐな瞳をこちらに向けながら語った言葉は現実のものになった。「新潟の至宝」が「日本の至宝」になるために、新しい挑戦が始まる。