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ヤクルト「恐怖の1番」塩見泰隆、ウィキペディア記載“イノシシ伝説”の真相…恩師「“塩見!出たぞ~!”って。あいつも“行ってきまーす”と」

posted2022/07/08 11:01

 
ヤクルト「恐怖の1番」塩見泰隆、ウィキペディア記載“イノシシ伝説”の真相…恩師「“塩見!出たぞ~!”って。あいつも“行ってきまーす”と」<Number Web> photograph by Number Web

ヤクルト快進撃の原動力・塩見泰隆29歳。あの“イノシシ伝説”の真相を知るべく、帝京大の練習場に潜入した

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佐藤春佳

佐藤春佳Haruka Sato

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セ・リーグ首位を独走し、ついに2リーグ制後史上最短で優勝マジックを点灯させた東京ヤクルトスワローズ。快進撃の原動力となっているのが、「1番・センター」に定着した塩見泰隆外野手の活躍だ。6日現在、リーグトップの22盗塁を記録するなど、快足を誇る29歳。抜群の能力を開花させた原点を探るべく、帝京大時代を過ごした神奈川県相模原市の練習場に潜入した。あの「イノシシ伝説」の真相、そして塩見を大きく羽ばたかせた恩師との出会いとは――。(全2回の前編#1/後編#2へ)

 ◆◆◆

 JR中央本線の相模湖駅。路線バスに乗り継ぎ、相模湖のレジャーランドを横目に標高702mの石老山(せきろうさん)方面へと向かい、下車したバス停から山道のような登り坂を上がっていく。気温は35度超。吹き出す汗を拭いながら、見上げる先に広がるもくもくと茂る緑濃い山景色に、思わずつぶやいた。

「これは……出るかも」

 

ウィキペディアに記載…“イノシシ伝説”とは?

 ヤクルト打線を牽引する塩見泰隆が大学時代を過ごした原点を探る――。そんなミッションを受けた時、絶対にこの目で確かめねばならないと思っていたのがあの「伝説」だった。

「大学時代は昼休みにイノシシを追いかけ回していました」

 2018年1月、ヤクルトの新人合同自主トレ中に短距離走でダントツのタイムを出した塩見が、自ら明かしたエピソードだ。以降、「イノシシと並走した男」としてその快足を表す代名詞となり、ウィキペディアのエピソード欄にも堂々と記載されている。

 しかし、前職でスポーツ紙の野球担当記者をしていた身としては、いささか疑問があった。1月のスポーツ紙といえばネタ枯れの“ツンドラ気候”状態。プロ野球自主トレの僅かな話題を薄~く伸ばして紙面を埋めなければならないのが常だ。わが身を振り返っても面白いことを言ってくれる新人がいればこれ幸いと食いつき、ちょっぴり大げさにふくらませるのは、いわばオフシーズンの風物詩のようなものだった。明るくサービス精神旺盛な塩見のこと。1度や2度、イノシシに遭遇したくらいの出来事が、盛られて伝わったのでは、と考えていたのだ。

【次ページ】 イノシシ伝説の真相

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