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“父は元サッカー日本代表”永島優美が極度の人見知りからフジの看板アナになるまで「とにかく脚が震えて、声も震えて…」
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph byMiki Fukano
posted2022/06/04 11:04
「めざまし8」「ジャンクSPORTS」などを担当する永島優美アナウンサー。元サッカー日本代表の永島昭浩を父に持ち、「アスリート2世」として生まれた知られざる幼少期とは
「プレッシャーがものすごくて……。実際、就任してからの最初の1週間は記憶がないんです。これを加藤さんは、一人でやられていたのかっていう衝撃も凄かったですし、今まで全然周りが見えていなかったんだと痛感しました」
とはいえ、『めざましテレビ』での永島さんのキャラクターは、印象的だった。朝の太陽のようにキラキラとした明るさと笑顔は、朝の番組のムード作りに欠かせないものとなった。チアリーディング部時代からのモットー「元気、勇気、笑顔」を忘れずに、スタッフとのコミュニケーションも積極的にとった。すると、自分のキャラが徐々に確立されていった。
「今、視聴者の皆さんから見えている私って、『ちょっと抜けているけれど、みんなにフォローしてもらっている明るい人』みたいなキャラだと思いますが、それは番組のスタッフをはじめ、みなさんがイジってくれたおかげなんです。メーンになって1年半ぐらいで、ようやく自分がどんなキャラのアナウンサーなのかを見つけることができました」
永島優美が思う“アナウンサーとは?”
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永島さんは、2021年3月末、メーンキャスターとして5年間、情報キャスターの時代も含めると6年半という時間を過ごした『めざましテレビ』を卒業した。同年4月からは『めざまし8』の初代メーンキャスターとなり、谷原章介氏とタッグを組んで番組を進行している。悩める時期を乗り越えて、フジテレビのエースとなった永島さんにとって、アナウンサーという職業はなにか。
「ただ原稿を読む職業ではなく、人の心をちゃんと宿してお伝えする仕事だと思います」
ニュースをストレートに伝える場合、感情を乗せずに伝えることが求められ、最近ではAIアナウンサーも登場した。情報を間違えずに正確で明瞭な発音で伝える技術だけが求められがちだが、ニュースは淡々と読むだけでは伝わらないこともある。
「災害報道や速報が入った時に、いかに信頼感を持って見てもらえるかが大事。そのためには真摯に仕事に向き合うのはもちろん、そのアナウンサーの人柄も込みで判断されると思うんです。本当に情報を知りたい時にこのチャンネルをつけたいと思ってもらえるのは、人の心だと思っています」
技術が高いだけでは伝わらない。心の中で喜怒哀楽を表現し、心の動きを隠さない。そうしたものが表情や言葉になって視聴者に伝わっていくことを考えれば、永島さんの言う「人の心」は表現者にとっては欠かせないものであることが分かる。
「テレビでは全部、その人の心が映ると思います」
今年31歳「母親の目線を持った上で語れることもある」
昨年、永島さんは結婚したが、一人の女性としてライフステージが変わっていく中でアナウンサーとしてできることにも広がりを感じている。