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《オークス》ウォーターナビレラの「1番枠」は過去20年でまさかの…人気馬たちの“厳しいデータ”「桜花賞10着でもナミュールは…」 

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島田明宏

島田明宏Akihiro Shimada

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posted2022/05/21 11:02

《オークス》ウォーターナビレラの「1番枠」は過去20年でまさかの…人気馬たちの“厳しいデータ”「桜花賞10着でもナミュールは…」<Number Web> photograph by Photostud

7番人気ながら牝馬クラシック初戦・桜花賞を制したスターズオンアース。オークスではルメールが騎乗する

 新馬戦(2着)と未勝利戦は芝1800mだった。それは高柳調教師が、当初から長い距離に対応できる馬だと見ていたからだという。

 桜花賞で騎乗した川田将雅がアートハウスに騎乗するため、オークスではクリストフ・ルメールが手綱をとることになった。テン乗りではあるが、ルメールはこの馬の母系に縁があり、叔母のソウルスターリングで日本のオークスを、そして2代母のスタセリタでフランスのオークスを勝っている。

「この家族はオークスが好きです」と話すルメールは、血統面からも、ストライドの大きな走りやコントロール性からも距離は大丈夫だと自信を見せている。

 過去5年のオークスと同じように、この馬が確たる主役になる――と言いたいところだが、大外18番枠を引いてしまった。

 過去10年で18番の馬は1度も3着以内に入っていない(うち2年は17頭立て)。が、17頭立てだった15年は大外17番のクルミナルが3着、20年は16番のウインマリリンが2着に来るなど、外枠がまったく来ないわけではない。

ウォーターナビレラの「1番枠」は過去20年でまさかの…

 逆に、桜花賞で2着だったウォーターナビレラ(父シルバーステート、栗東・武幸四郎厩舎)は、最内の1番枠を引いた。何と、この1番枠からは、過去10年どころか、18頭立てになった1992年以降、勝ち馬が出ていない。繊細な3歳牝馬のGIで、スタンド前からのスタートとなるだけに、内で他馬に囲まれると大きなストレスとなるからか。

 それでも、この馬の場合、1400mのファンタジーステークスで楽に先行して勝ったように、テンからスッと行けるので、包まれる心配はなさそうだ。豊富すぎるほどのスピードがあるだけに距離延長が心配になるところだが、桜花賞では折り合っていた。

 騎手が兄の武豊で、調教師が弟の武幸四郎。勝てば、1984年のグレード制導入以降では初めての騎手・調教師兄弟タッグによるGI勝利となる。

19年オークスのような大混戦に?

 桜花賞の1、2着が、大外と最内という極端な枠を引いたことで、波乱が起きてもおかしくない空気になってきた。

 ラヴズオンリーユーが無敗のまま優勝し、12番人気のカレンブーケドールが2着、僅差の2番人気だったクロノジェネシスが3着となった19年のような、上位拮抗の大混戦になるかもしれない。

【次ページ】 桜花賞10着でもナミュールは侮れない

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