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Xゲームズ、日本人第1号メダリストは“堀米雄斗が勝てなかった男”「一歩先をいくライバルのような存在だった」〈現地観戦記〉
text by
雨宮圭吾Keigo Amemiya
photograph byAsami Enomoto
posted2022/04/30 17:01
4月22~24日に日本で初開催されたアクションスポーツの祭典「X Games」。堀米雄斗、西村碧莉らトップライダーが千葉・ZOZOマリンスタジアムに集結し、平野歩夢、那須川天心らも観戦に訪れた
日本人メダリスト第1号は“堀米が勝てなかった男”
男子スケートボードのバート決勝で芝田モトが2位となり、今大会の日本人メダリスト第1号に。2017年に優勝している実力者は、オリジナルトリック『カミカゼ』も成功させて大胆に宙を舞った。
かつて堀米がバートをやっていた頃、3学年上の芝田にはなかなか勝てず、一歩先をいくライバルのような存在だったという。当時から最新系の技を繰り出す堀米とオールドスクールな技を上手に織り込む芝田とで対照的なスタイルを見せながらも、どちらも将来を嘱望されていた。その期待通り2人ともそれぞれの道で世界に羽ばたいたわけだ。
約4mの高さの半円状のコースで各選手がトリックを披露するバートは、スノーボードのハーフパイプのイメージに近く、競技としての歴史は、同じスケートボードのパークやストリートよりも長い。
球場のフィールドにそびえ立つ巨大なバーチカルにはXゲームズならではの迫力があり、開幕前日に千葉市の小中学生が見学に訪れた際も、選手たちの滑りに大きな拍手や歓声が起こっていた。一見さんでも自然と見入ってしまう分かりやすさとダイナミックさ。競技人口(特に女子)と環境の少なさによって五輪種目には採用されなかったようだが、そのエンターテインメント性は抜群のものがあった。
19年ぶりにXゲームズで行われたBMXフラットランドでも早川紀生が金メダルを獲得。20歳の新星のピュアな涙とともに、初日の幕は閉じたのだった。
〈大会2日目〉堀米雄斗が登場…舞台裏でも笑顔はじける
2日目は男子スケートボードストリート予選で堀米が登場した。今大会はXゲームズ優勝13回を誇るナイジャ・ヒューストン(米国)が欠場。最大のライバルが不在の状況で貫禄の1位通過を決めた。