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駒澤大・大八木監督が語る、田澤廉ら“天才ランナーの育て方”…追い込みすぎない練習にこだわる理由「ピークが来るのは社会人になってから」

posted2022/05/04 17:02

 
駒澤大・大八木監督が語る、田澤廉ら“天才ランナーの育て方”…追い込みすぎない練習にこだわる理由「ピークが来るのは社会人になってから」<Number Web> photograph by Shigeki Yamamoto/Yuki Suenaga

駒澤大学の名将・大八木弘明と、ともに世界を目指す戦いを続ける田澤廉(4年)

text by

加藤康博

加藤康博Yasuhiro Kato

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Shigeki Yamamoto/Yuki Suenaga

名門・駒澤大学の監督を務め、多くの名選手を育て上げてきた大八木弘明。現在4年生の田澤廉は、なかでも特に注目を浴びる存在だ。名将が語る“天才ランナーの育て方”とは?《特別インタビュー全2回の2回目/前編から続く

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 田澤廉が世界を狙う。

 その強化は将来を見据えて段階的に行われてきた。大学入学当初、10000mでの目標は大迫傑が持っていた日本人学生最高記録27分38秒31。しかしそれを大きくクリアする27分23秒44に到達し、今は相澤晃が持つ27分18秒75の日本記録も視野に入れる。ここまで大八木の想定以上の成長を遂げてきた。

「練習の質を徐々に上げ、力がついてくる中で、東京五輪、世界選手権の参加標準記録の27分28秒00を突破する手ごたえが出てきたんです。“世界に行けるんじゃないか”から“どうしても世界に出たい”という思いへと変わっていき、それは日頃の言葉や態度からもひしひしと感じました。練習では余裕を持ってやらせていますが、試合への集中力も高い選手ですし、それが結果につながっているのでしょうね」

追い込みすぎない練習が生む“気持ちの余裕”

 追い込みすぎない練習を心がける中、スピード強化だけは“27分30秒を安定して出せる力をつける”という確固たる目標を持って進めた。タイムはレース展開やペースメーカーの動きによって左右される面もあるが、その成果は1回の記録だけでなく、2020年12月の日本選手権からここまで4戦連続で27分台という形でも表れている。高いレベルで安定感を発揮しており、強化は狙い通りに進んでいる。

「最低でもこのくらいで走れるという自信が生まれたんでしょうね。結局、練習って自信をつけることなんです。それは走力の面もそうだし、気持ちの面も大きい。気持ちの余裕があると、レース中、ペースや周りの選手の変化への対応力が生まれますので」

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