「自分も勝てるライダーだと思っている」小椋藍（21歳）がMoto2で2戦連続2位！ グリッドでの緊張を解きほぐす、加藤大治郎の言葉とは

　Moto2クラスに参戦する小椋藍が、第3戦アルゼンチンGPで3位、連戦となった第4戦アメリカズGPで2位と、2戦連続表彰台に立ち総合2位に浮上した。今年はチャンピオン候補のひとりに挙げられており、その期待に応える走りを見せた。開幕戦カタールGP、第2戦インドネシアGPは、それぞれ違う理由で6位に終わっていた。それだけにアメリカ大陸2連戦の表彰台獲得は、思わず笑みがこぼれる結果だった。

「どんなにいいレースをやれて、それが自分の中で100点満点だったとしても、表彰台に立てなかったら、今日はこの順位で満足ですとは言えない……。例えばインドネシアのように最悪のグリッドから表彰台争いの後ろまで追い上げて、いい走りだった、いい内容だったといわれてもやっぱり結果があってのものですから。アルゼンチンの3位、アメリカの2位も、3位や2位に終わった悔しさはあるし、レースが終わったときにこうしていればと思うことはある。でも、やっぱり表彰台に立てたことは素直にうれしい。アメリカで2位に終わったときにまた2位かって思いましたけどね」

「勝ちます」とは言わない理由

　小椋は、取材する側が「こういうときに、こう言って欲しいなあ」と期待するようなことはほとんど言ってくれない。例えば、予選が終わったときに、PPやフロントローを獲得していたとしても、「勝ちます」「優勝します」なんてことは絶対に言わないライダーである。

　ある日、どうして言わないの？　言ってくれるとうれしいのだけど？　だって、原稿にしやすいしファンもそういう言葉を期待してたりするわけだから……と問いかけると、彼はこう答えてくれた。

「どうしてみんな目標を聞きたがるんですか？　もちろん目指しているのは優勝だし、それ以外ないですよね。でも、実際に勝てるかどうかなんてわからないし、やってみなければわからない。わからないことを言うのは僕には出来ない。つまらないと思うでしょうけど、そういう人間なんです」

　そういって笑った。

　小椋は冗談も言うし、仲間とバカ話に興じることも多い。しかし、ことレースに関しては、「いま自分がどういう状態なのか？　どの辺を走れるのか？」ということを実に冷静に分析しているし、勝つことに対して軽々しさはない。その一方で、現状での自分の位置、走りについて具体的に質問していくと、しっかりと答えてくれる。

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